戦姫絶唱シンフォギア
戦姫絶唱シンフォギア #01 『覚醒の鼓動』 感想

受け継がれる意思と遺志。その共鳴の先に―
まず、この作品を視聴した上で最初に考えたことは 「この作品は何を伝えようとしているのか?」
「何を作品の土台としているのか?」 という点であったわけですが、単刀直入に言ってしまうとそれは
“生命に宿る強さ” と “巡り続ける命” であったように私自身は感じられました。
何よりそれらは、この第1話の中で描かれた多くのシーンで感じ取るこのできるハッキリと示されたこの物語の主軸でもあるわけで、故にこの初回は 「戦姫絶唱シンフォギア」 という作品そのものを映し出す鏡としてとても忠実に、また巧く機能していたのではと思います。


中でも特筆すべきシーンだったのはこのライブシーン。ドーム型のコンサート会場でのこのライブは素晴らしいカメラアングルの数々とも合わさって物凄い一体感(生命の強さ)を表現することに成功していたように思います。
また、『LIVE』 という言葉は他にも 『生きる』 という言葉そのものの意味も含んでいるわけですが、それは響の 「凄い!これがLIVEなんだ!」 というあの台詞にも直接的に当て嵌めることが出来るのではないでしょうか。
この時代は既にノイズの存在に脅かされ続けていたようですし、それだけでもこの世界の人々は少なからず恐怖を感じながら生きていたということにも繋がるわけで、それは “生きる喜びの欠落” にも至る重大な危機に違いない。そして、そういった事実は響においても同様のことが言えるわけで、つまりこの瞬間、彼女は久々に(もしくは初めて)生きることの熱さ、強さを実感できていたのでしょう。


そしてそういった “生きることの喜び” というテーマ性は、歌を歌いながら戦い続けるといった面白い設定にも盛り込まれていたりして、それもまたLIVE(生きること)と、戦う(命を守る)ことという点で一つの繋がりを全ての人々に見せつける。
ようは、彼女たちって常に全力で 『生きろ』 という言葉を体を使って体現してくれているわけです。また、それは奏の 「生きることを諦めるな!」 という言葉に強く宿る意思であり、彼女が響に託した尊い遺志でもあるのでしょう。


けれど “生きる” という言葉は逆説的に “死” へとも繋がる言葉なわけですが、むしろそこで見えてくるものこそが伝え続けることで終わりを決して迎えることのない “想い” の存在なのかも知れません。
この作品はアバンでも響の死を暗示していましたが、終盤ではその響が奏の想いを受け継ぎ、幼い少女を守り、覚醒するシーンも盛り込まれていました。そのことを考えると、仮に響が死んでしまっていたとしても、その死は決して無駄になっておらず、人の意思は遺志としてこの世界に残り続けているのだということを如実に表現していたように感じられます。
またそれは、あの “グングニル” の存在一つをとっても同じことが言えたりするわけで、またそこから連想される神話上の人物 “オーディン”(勝利の象徴=生命の象徴) の存在が何よりも生きること、そして想うことの重要性を強烈に肯定しているのではと考えることができます。


そして、響に刻み込まれた傷跡(響の存在)が “強く” を意味するフォルテの形を暗示させることからも、その傷跡は生きることの強さを克明に訴えかけているのだと考えることができる上に、ここまで述べてきたことの全てさえをも連想できる強烈な象徴に成り得ているのではないかと思えるのです。
強く生き、その強さを誰かが受け継ぐ。そういった命の尊さと、巡り続ける命の重さをこの作品が今後どのようにして色濃く描いていってくれるのか。そんなことを想像しただけでも、もうドキドキとワクワクが止まりませんね。今後の展開に多くの期待を寄せたいところです。楽しみ!!
次回 「雑音と不協和音と」
「何を作品の土台としているのか?」 という点であったわけですが、単刀直入に言ってしまうとそれは
“生命に宿る強さ” と “巡り続ける命” であったように私自身は感じられました。
何よりそれらは、この第1話の中で描かれた多くのシーンで感じ取るこのできるハッキリと示されたこの物語の主軸でもあるわけで、故にこの初回は 「戦姫絶唱シンフォギア」 という作品そのものを映し出す鏡としてとても忠実に、また巧く機能していたのではと思います。


中でも特筆すべきシーンだったのはこのライブシーン。ドーム型のコンサート会場でのこのライブは素晴らしいカメラアングルの数々とも合わさって物凄い一体感(生命の強さ)を表現することに成功していたように思います。
また、『LIVE』 という言葉は他にも 『生きる』 という言葉そのものの意味も含んでいるわけですが、それは響の 「凄い!これがLIVEなんだ!」 というあの台詞にも直接的に当て嵌めることが出来るのではないでしょうか。
この時代は既にノイズの存在に脅かされ続けていたようですし、それだけでもこの世界の人々は少なからず恐怖を感じながら生きていたということにも繋がるわけで、それは “生きる喜びの欠落” にも至る重大な危機に違いない。そして、そういった事実は響においても同様のことが言えるわけで、つまりこの瞬間、彼女は久々に(もしくは初めて)生きることの熱さ、強さを実感できていたのでしょう。


そしてそういった “生きることの喜び” というテーマ性は、歌を歌いながら戦い続けるといった面白い設定にも盛り込まれていたりして、それもまたLIVE(生きること)と、戦う(命を守る)ことという点で一つの繋がりを全ての人々に見せつける。
ようは、彼女たちって常に全力で 『生きろ』 という言葉を体を使って体現してくれているわけです。また、それは奏の 「生きることを諦めるな!」 という言葉に強く宿る意思であり、彼女が響に託した尊い遺志でもあるのでしょう。


けれど “生きる” という言葉は逆説的に “死” へとも繋がる言葉なわけですが、むしろそこで見えてくるものこそが伝え続けることで終わりを決して迎えることのない “想い” の存在なのかも知れません。
この作品はアバンでも響の死を暗示していましたが、終盤ではその響が奏の想いを受け継ぎ、幼い少女を守り、覚醒するシーンも盛り込まれていました。そのことを考えると、仮に響が死んでしまっていたとしても、その死は決して無駄になっておらず、人の意思は遺志としてこの世界に残り続けているのだということを如実に表現していたように感じられます。
またそれは、あの “グングニル” の存在一つをとっても同じことが言えたりするわけで、またそこから連想される神話上の人物 “オーディン”(勝利の象徴=生命の象徴) の存在が何よりも生きること、そして想うことの重要性を強烈に肯定しているのではと考えることができます。


そして、響に刻み込まれた傷跡(響の存在)が “強く” を意味するフォルテの形を暗示させることからも、その傷跡は生きることの強さを克明に訴えかけているのだと考えることができる上に、ここまで述べてきたことの全てさえをも連想できる強烈な象徴に成り得ているのではないかと思えるのです。
強く生き、その強さを誰かが受け継ぐ。そういった命の尊さと、巡り続ける命の重さをこの作品が今後どのようにして色濃く描いていってくれるのか。そんなことを想像しただけでも、もうドキドキとワクワクが止まりませんね。今後の展開に多くの期待を寄せたいところです。楽しみ!!
次回 「雑音と不協和音と」
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No title
あのライブは圧巻でしたね!というかこんなに強烈なインパクトを与えるアニメの第一話は初めてでした。
奏が何気にカメラ目線でウインク決めてるのが好きです。
全体を通して「歌の力で何が出来るか」というより、「何故歌が力になるのか」という観点で描いているのかなと感じました。
挿入歌もOP・EDも魂こもっていて素晴らしいですしね。
次の感想も待ってます。
奏が何気にカメラ目線でウインク決めてるのが好きです。
全体を通して「歌の力で何が出来るか」というより、「何故歌が力になるのか」という観点で描いているのかなと感じました。
挿入歌もOP・EDも魂こもっていて素晴らしいですしね。
次の感想も待ってます。
>名無しさん
ライブシーンは本当に圧巻でしたね!
初回の掴みはバッチリだったと思いますし、観ていて凄く心が昂ぶりました。
「何故歌が力になるのか」といった観点も確かにそうですね。そういった一つ一つのことに対しての根拠を提示してくれれば説得力も増しますし、作品としての魅力もより大きいものになるんじゃないかなと思います。
OPは水樹さんの曲で力強い感じが凄い好きです!
劇中歌もいいですし、この作品の強みでもある部分は今後もどんどん活かしていって欲しいなぁと思います。
初回の掴みはバッチリだったと思いますし、観ていて凄く心が昂ぶりました。
「何故歌が力になるのか」といった観点も確かにそうですね。そういった一つ一つのことに対しての根拠を提示してくれれば説得力も増しますし、作品としての魅力もより大きいものになるんじゃないかなと思います。
OPは水樹さんの曲で力強い感じが凄い好きです!
劇中歌もいいですし、この作品の強みでもある部分は今後もどんどん活かしていって欲しいなぁと思います。
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戦姫絶唱シンフォギア「第1話 覚醒の鼓動」/ブログのエントリ
戦姫絶唱シンフォギア「第1話 覚醒の鼓動」に関するブログのエントリページです。
◎戦姫絶唱シンフォギア#1『覚醒の鼓動』
戦場で歌を歌い続ける話らしい。多分、マクロスのパクリだな。-二年前響さんが、会場に。ミクはこれなくなった。立花響(たちばなひびき)声-悠木碧:マドカ小日向未来(こひなたみ...
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