空深ク、彼方へ ―

いやー面白いですね。前回の3話もかなり面白いなぁと感じられたわけですけど
今回はその面白さにさらに拍車を掛けた感じで、もう観ていてワクワクが全然止まらないし、
常に張り巡らされているピンッと張られた緊張の糸が凄く効果的でスリリングというか。

特に緩急の付け方が絶妙なんですよね。バスで行くのが面倒くさいから案山子で来ちゃう
詩緒の可愛さに笑いつつも和んでいたら、画面がパッと切り替わって次の瞬間には
首に刃を突き付けられる空張さんのアップ。そして、その後には匡平の発狂と
こうグンとシリアス方面に向かって雰囲気が一気に切り替わっていくわけです。

詩緒や日々乃さんの存在 (とその可愛らしさ) のお陰で常に空気が一定の緩さを
保っているんですけど、でもそういった緩さをもしっかりと張り詰めさせる。
うーん、ちょっと説明し難いんですけど、とにかくその引き込み方、また言い方を変えれば
恐怖への引き落とし方が凄く秀逸なんです。


　


何より、そういった雰囲気を作り出すのに効果的で大きな役割を果たしているものって
きっとそれぞれのキャラクターの表情なんだと個人的には思います。

とにかく表情が豊かに描かれるこの作品なわけですけど、特に怒りとか驚き、そして恐怖といった
いわゆる負の感情が溢れ出す感じが凄くよく表現されているんです。

それはこの詩緒が段々と追い詰められていく際に描かれる彼女の表情においても同じで
その感情の変移とか混乱といった部分が凄くよく読み取れるんですよね。

キャラクターの表情の多様さというのはその作品の善し悪しに大きく影響するところでもあるわけで
何よりそこにその人物が生きてるような感覚をも抱かせることが出来る。
そしてそう思わせることでより一層の感情移入も出来るようになるのだと思います。
訴えかけてくるものが強いわけですからね。そこに感情が込もっているからこそ胸に響く。


　


だからそういった点では匡平のあの怒りが爆発したシーンだって、その背景は語られずとも
その表情からどれだけの憎しみを抱いているのかというのがおおよそ読み取れるわけです。

まさに日々乃が言っていた “本気で怒る” といった行動。その本気度を表情だけでも
再現できてしまえているんです。

まぁようはどれだけアニメにおいて “表情” というものが重要なのかどうかということですよね。
個人的にはそういった要素もかなり大切な要素であると思っているので、その部分だけでも
この作品は本当に丁寧に作られているなぁと強く感じることができます。
これからもこの作品においては、そんな表情によく注目しながら視聴をしていきたいところです。





一方、ストーリー展開の方ですがこちらはまだまだ不透明な部分も多く、実際よく分からない
と言ってしまうのが本音といったところですかね。

ただ匡平は過去に阿幾と “先生” と呼ばれる人の間で何らかのわだかまりを残しているようで
その辺りが今後の展開のキーポイントにはなってきそうです。

でも、こういった “よく分からない” し、“非常に危険”な状況下の中で匡平を懸命に守ろうと
体も心も張った日々乃さんの姿勢には感動させられましたね。
いや、感動というかもう本当に素敵な女性だなぁと。ただただそう思わずにはいられないというか。

彼女だってこれだけ危険な目に合ってるわけだし、色々と不透明な部分だらけなわけで、きっと
強い恐怖感も感じていると思うんですよね。さらには匡平も取り乱すわでもう状況としては最悪。
けれど、そんな中でも彼女は匡平から無理にでも事情を聞きだそうとはしないんですよ。
黙って彼の支えにだけなろうと懸命に体を張って、彼の不安をまずは取り除こうとしている。

これは 『CLANNAD ～AFTER STORY～』 における、朋也と渚のやり取りの中でも
同様の描写があったわけですけど、不安を抱えている人にとっては何よりも
やっぱり、支えてくれる人の存在が一番の心の拠り所であり支えとなるわけなんですよね。

(まぁクラナドの場合は渚が事情を知っていたという部分もあったわけですけど、きっと彼女なら
事情を知らずとも同じ行動をとったのではないかと思います。)

故にそこに今の匡平にとっては何が一番必要なのかというところが垣間見えてくるし、
また日々乃さんという存在の大切さも分かってくる。
そしてそれは良き妻としての理想像でもあって、まぁ言ってしまえばお前ら早く結婚しろよってことです。


　


それに匡平って誰にも何も打ち明けず全部一人で抱え込んでいるわけで、それって
言い換えれば “誰かを頼る” という行為が全く出来ていないってことにもなるんですよ。

もちろん、それは誰も巻き込みたくないっていう気持ちの現われなのかも知れないわけですけど、
でも彼は必要以上に背負い込んでしまっている気もしてくるわけで、
そうすればいつかは彼が望む平凡な生活は破綻するし、むしろもっと大きな被害を生んでしまう
可能性だってあるわけですよね。それは否定できない。

それに日々乃さんだってもう案山子の存在と阿幾の存在をしってしまっているわけで
彼は致し方なかったとは言え既に彼女をも巻き込んでしまっている。
だったらもう少し彼女に頼り、また頼られながら支えあっていけばいいんじゃないかなとは
どうしても思ってしまうんですよね。もはや彼一人だけの問題じゃないわけですから。


またそういった “頼り切れない” という姿勢そのものが、彼と案山子の関係性にも
もしかしたら結びついているのかも知れませんね。

“案山子の才能がない(案山子を巧く扱えない)” ということの根本的な原因。
故に、彼が日々乃さんと相互扶助の関係性を築き上げることが出来れば、
またその時は案山子とも彼自身が向き合うことが出来るようになるのかも知れません。


　


というわけでそんな匡平の今後に期待しつつ、これからどういった展開が繰り広げられて
いくのかにも大いに期待していこうと思います。

今回も引きは完璧でしたからね。「お兄ちゃん…」 と呼ばせたところで締めるとかもう
次回が気になってしょうがないですよ。むしろこっちが 「なん…だと…！？」 って感じですw

果たして双子なのか、それともクローンなのか。。とても気になりますね。


それと案山子同士の対決シーンは素晴らしいですね。特にククリとタケミカヅチの
場面なんかは迫力が凄くてとても惹き込まれました。
今後も多くの戦闘シーンで魅せてくれれば嬉しい限りですね。あの案山子の鼻歌のようなものも
凄く雰囲気が出ていてマッチしてますし、もうこの作品は今期の中でもかなりのお気に入りです。

ただ一つ気になるのは原作ではあの鼻歌どうやって表現してるんでしょうかね？
もしアニメのオリジナルであるなら凄く決まってる演出だと思います。


　


しかし、日々乃さんは最高過ぎです！
そしてナイスバディ！！


もうちょっと今期の中ではずば抜けているかも知れないです。。それ程の破壊力。

アイマスやゆるゆりのキャラも凄く可愛いんですけど、そういった可愛さとは
また別次元の可愛さであり、萌えなんですよね。これはもう言葉では言い表せられない。
逆に詩緒はそういった2作品の可愛さとも共通する可愛さで、愛くるしいんですよね。

とにもかくにも、日々乃さんは最高です。うむ、異論は認めない。




次回　 「故郷へ…」

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