空深ク、彼方へ ―

前回の感想でこの作品は百合アニメではない！なんて言ってしまってちょっと後悔。
いやぁいましたね、百合っ子が。しかも二人も。

まぁあの主役4人に関して言えば、やっぱりそこに百合要素というのはあまり見られない
わけなんですけど、実はその周囲にいるサブキャラを軸に百合展開が繰り広げられて
いたんだよというこの予想外の展開はなんというかちょっと誤算でしたね。それも嬉しい誤算。

それに、何だかもう誰が主人公なのかが分からなくなりそうです。

当の主人公はもう完全に 「主人公に見えない主人公」 としてネタ化されてしまってますし、
何より出番自体がなんだか凄く少ないような気もしますからねw
もうどちらかと言うと京子が主人公でもいいくらいに思ってしまえています(苦笑)


　


まぁそう思えるのも、この百合っ子の一角である生徒会長こと杉浦綾乃の存在があってこその
ものでもあったりするわけなんですよね。

実はこの子は京子に対してライバル心を剥き出しにしているように見えて、本当は
彼女に対して無償の愛情を注ぎたいという想いを抱いているだけだったりするんです。

そしてそれをカモフラージュするための表向きの顔がライバル心と嫉妬心剥き出しにした
“生徒会長・杉浦綾乃” であるわけで、実際はもっと京子と仲良くしたいし、お喋りもしたい。
つまりは、凄く純粋な子なんですよね。正直ではないけど、純粋。そして生粋。(の百合。)


　


でも彼女自身は純粋過ぎてしまうがために何の脈絡もなしには京子には近づくことができない。
だからこそ彼女は自由奔放な京子と少しでも多く接したり、喋ったりしてお近づきになるために
生徒会長という名の特権にして、校内での最高権力を手に入れることにしたのかも知れません。

けれど、その権力を手に入れた代償というのも少なからずあって、そういう立場になってしまったからこそ京子とは普通に接っし合うことができなくなってしまったという可能性はあるのかなとも思います。

だって生徒会長と言ったらもう、京子みたいな人間の正反対に立つ人間なわけですからね。

それこそ、一緒に居られる機会だって少なくなるわけですから、その辺りは綾乃にとってもきっと
心苦しいところでもあるのでしょう。


　


でもだからこそ、綾乃からしてみればお見舞いに京子が自ら率先して来てくれたというのは
かなり予想外でもあり、死ぬほど嬉しい出来事でもあったんじゃないかなぁと思います。

何より、千歳目線だけではなく、今回は綾乃の目線においても京子の姿というのは凄く美化されて映し出されていたわけで、故にその場面からも綾乃自身が彼女に感じたその昂ぶる気持ちというのは凄くよく感じ取ることができるわけですから。

それになんかもう、そんな彼女を観ているだけで凄く幸せな気持ちになってしまうんですよね。
可愛いし、健気だし、それでいてツンデレで素直じゃないけどピュアだしで。

京子を校舎中探し回る姿なんか破壊力抜群です。もう本当にニヤニヤが止まらないです。


　


そして、そういった部分ではもう一人の百合少女である古谷向日葵と大室櫻子の
カップリングにおいても同様のことが言えるのではないかと思います。

だって、あのクッキーを別の袋で包装してちゃんととっておいた向日葵の健気さったらないですよ。
しかもあの渡す前の体操着に着替る場面で、彼女のカバンの中にあるその櫻子用クッキーが
チラっと映っていたりするんです。その辺りがまた凄くこういいというか。。

まさに、見え隠れする向日葵が抱く櫻子への想いみたいなものを巧く表現していたように
感じられて何だか凄く温かくなれましたね。素直に 「いいなぁ」 って思えました。

さらには彼女もまた普段はその気持ちを押し殺すために別の仮面を被りツンデレ属性で
いるわけで、そういう遠回しな恋心みたいなものには凄く惹かれる雰囲気がありますよね。

云わば、まさに “萌え” です。というか、もうこの作品は萌えが詰まり過ぎていて本当に凄い。


　


ただ、問題なのはそのお互いの相手となる二人、つまりは京子と櫻子がそんな彼女たちの
切実なる純粋な想いに全く気付いてないということなんですよねw

これは初回の感想でも述べたのですが、まさにそこにこの作品が多く描こうとしている
想いの擦れ違いという心情背景があって、それがまた笑いの要素としてうまいこと変換されてる。
そして何よりも、この作品ってそういう場面場面を見て笑い楽しむ作品であると思うので、
それってつまりは彼女たちの想いって届かないんだよと言ってることとも同義なわけです。


まぁ、それがサブキャラ的な宿命でもあるのかなぁとも思えるところではあるんですけど、
でもやっぱりここまで純粋な彼女たちだからこそ、その想いが実りますようにとどうしても
応援したくなってしまうという部分はあったりするわけで…。

故に、少しでもいいので彼女たちが幸せに感じられるような描写というのはこれからも
ちょっとずつ描いていって欲しいなぁとは思っていたりしますね。


やっぱりギャグとは言っても、毎回毎回空振りばかりだと可哀想な気もしてしまいますから(笑)
せめて、ほんの数分ぐらいの間はゆるゆりさせてあげて欲しいなと思います。




次回　 「(未公開)」



愛生さん最高過ぎますwww
もうこの人にこういう役をやらしたら右に出る者はいない気さえしてきますw

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