CLANNAD
CLANNAD #01 『桜舞い散る坂道で』 感想

運命の人、運命の出会い。それはまるで自分のような存在。
ここから奇跡の物語は始まりを告げる―
というわけで明らかにもうお前視聴したことあるだろって感じのキャッチフレーズをつけて
しまったわけですが、まぁその通りでこの作品は既に一度視聴したことがあります。
ただこの作品は自分にとっても大きな転機となった作品にして、本当に自分の中でも
大切にしているアニメであるわけで、だからこそ折角こういう機会があるのなら、
感想も書いておきたいなぁと。そう思ったので、これから感想を書くことにしました。
書き方としては今までどおり “感じたことを書いていく” というスタンスになると思います。
なのでもうリセットをするというか、以前はどう思ってたとか、今思うとこれは~みたいな
そういった先の展開を交えての感想は一切書きません。
初見の心構えで、その一つ一つの描写から読み取れたことをいつもと同じように書き綴って
いきたいと思います。特にこういう作品ですから登場人物の心情描写などについては
出来るだけ多く書いていきたいなぁと思います。

では早速感想の方ですが、こう改めて観てみてもやっぱりまず感じることはその丁寧に描かれた
背景画とかキャラクターの表情だとかの所謂、京アニクオリティと言われるものの素晴らしさですかね。
理屈抜きでなぜか感動的なこういう雰囲気を伝えてみせるのって本当に凄いと思いますし
観ていて惹き込まれるというか、作品全体に吸引力があるんですよ。
特にアバンのシーンなんかはもうその次点で鳥肌が立つほどにこうこの情緒的で
神秘的な演出に凄く魅了されてしまいました。
もちろん2度目の視聴ということで結構な補正はかかっているかも知れませんけどね。
でも決してそれだけではないはずで、やっぱりその場面だけを抜き取ったとしても
そう思えてしまうことには間違いないと思います。
なのでその点で言うと、出来れば他ブロガー様の当時の感想というのも後程見て回りたいなぁと
思うところではありますね。


またキャラクターの点で言えば、原作のキャラデザを忠実に再現+アニメらしい可愛らしさを
存分に描けている点はもう素晴らしいの一言です。
多くのキャラクターが登場した1話ですが、そのどのヒロインにしても本当に可愛いですし、
それぞれの表情一つ一つをとっても感情がよく表現されていてもう見入ってしまう程です。
特に杏のこの表情とか、下校時の椋の表情などは最高でしたね。
あとはもちろん、朋也と渚の表情などは当然のようにとても良かったです。彼らに関しては
本当にその心情まで読み取れてしまうような雰囲気が堪らなくいいなぁと思えました。
ただキャラが多いといった点では、ちょっと駆け足な印象も受けたのは事実ですね。

では本編について。
まず朋也と渚って全く接点のない関係から、今回のように相手の家にお邪魔するようになるまで
その関係が発展していったわけなんですが、これはやっぱり朋也の性格が大きく影響していて、
その人当たりの好さ故の結果なのだと思います。
周囲からはあまりいい印象を抱かれていない彼なわけですけど、でもああやって椋が気を掛けて
くれたり、杏がフレンドリーに接していたところなんかを見ても、決して嫌われているわけじゃないということがハッキリと分かるのですよね。
それに他のクラスメイトも一応は彼らの進路を心配したり、杏のことで弄ったりもしているわけで
それなりの友好関係、というか一応普通に話せる程度の関係というのは築けているわけですし、
いくら不良とは言われていても、むしろ本質的に彼は良識のある人間であると言えるわけです。

けれど、それだけでは何故彼が渚に対して積極的に関わっていくのかは分からないですよね。
いきなり会ったばかりの相手に話をかけ、さらには自分の名を名乗りもして友達にもなった。
その行動原理が分からない。
でもそういった部分というのは話が進むにつれ段々と見えてくるものでもあって、おそらく彼は
坂道を前にして歩き出すのを躊躇する渚という存在に対し、自己投影をしていたのだと
思えてくるわけです。
それはアバンの台詞や、彼女が直面している状況などを含めて考えても分かるところでもあって、
渚と朋也の置かれている環境ってかなり似ている部分があるのですよね。
渚にしてみれば留年をしたせいで周囲の環境から取り残されてしまったし、朋也にしてみても
人当たりは良いとは言うものの “忘れたい場所が染み付いた場所” に留まり続け、
“こうしていて何時か何かが変わるのだろうか?” という漠然とした疑問を抱えながら前に進めずにいる。そういった類似性に彼は直感的に感じ取ることができたのでしょう。

故に、朋也は渚をどうしても気に掛けてしまうのでしょうね。
それはまるで彷徨い続ける自分を観ているようだから。
それに彼が彼女にかける言葉だって最初から最後まで自分自身にも当て嵌まることであって
そういう風に考えてみると、彼自身も潜在的には “変わりたい” と思い願っているということが
言えるのかなと思います。
そして彼が今後、そういった自己投影による応援歌を渚に送り続けることで彼女がもし変わって
いくのだとすれば、それは彼自身にも大きく影響を及ぼすことはまず間違いなくて、
だからこそアバンでの 『俺たちは上り始める。長い長い坂道を―』 という台詞の真意というのも必然的に見えてくるものなのだと言えるのではないでしょうか。


また、彼らの対照的な家族関係を朋也の心理的な描写と独白を用いつつハッキリとした形で
描くことにとって、この作品のテーマ性というものも大分浮き彫りにしてきた印象があります。
言ってしまえば、家族の温かみや人の支えによって歩み続けられる尊い人生。
そういったことをこの作品は訴えているのだと。
もうなんかこうして見ると、本当に1話で多くの提示がなされていた作品だったんだということを
凄く痛感してしまいますね。一つ一つが丁寧で情報量が凄く多い。
それは決して既に結末を知っているとか、原作を知っているとかが理由なのではなくて、
そういう知識がなかったとしても十分にそういったことが感じ取れる作りになっていると思います。
何だかこの作品が大好きな理由が改めて実感できた感じがして、嬉しいですね。
しかも何だか凄く新鮮ですし、これからまた長いこととても楽しませてもらえそうです。
そして今後、その坂道を歩み始めた彼らがどういう感情の推移を経て頂上に辿り着いて
いくのかという、そういったストーリーの軸に対しても大きく期待しています。楽しみです。
再放送して下さっているAT-Xさんにはもう大感謝ですね。
次回 「最初の一歩」
しまったわけですが、まぁその通りでこの作品は既に一度視聴したことがあります。
ただこの作品は自分にとっても大きな転機となった作品にして、本当に自分の中でも
大切にしているアニメであるわけで、だからこそ折角こういう機会があるのなら、
感想も書いておきたいなぁと。そう思ったので、これから感想を書くことにしました。
書き方としては今までどおり “感じたことを書いていく” というスタンスになると思います。
なのでもうリセットをするというか、以前はどう思ってたとか、今思うとこれは~みたいな
そういった先の展開を交えての感想は一切書きません。
初見の心構えで、その一つ一つの描写から読み取れたことをいつもと同じように書き綴って
いきたいと思います。特にこういう作品ですから登場人物の心情描写などについては
出来るだけ多く書いていきたいなぁと思います。

では早速感想の方ですが、こう改めて観てみてもやっぱりまず感じることはその丁寧に描かれた
背景画とかキャラクターの表情だとかの所謂、京アニクオリティと言われるものの素晴らしさですかね。
理屈抜きでなぜか感動的なこういう雰囲気を伝えてみせるのって本当に凄いと思いますし
観ていて惹き込まれるというか、作品全体に吸引力があるんですよ。
特にアバンのシーンなんかはもうその次点で鳥肌が立つほどにこうこの情緒的で
神秘的な演出に凄く魅了されてしまいました。
もちろん2度目の視聴ということで結構な補正はかかっているかも知れませんけどね。
でも決してそれだけではないはずで、やっぱりその場面だけを抜き取ったとしても
そう思えてしまうことには間違いないと思います。
なのでその点で言うと、出来れば他ブロガー様の当時の感想というのも後程見て回りたいなぁと
思うところではありますね。


またキャラクターの点で言えば、原作のキャラデザを忠実に再現+アニメらしい可愛らしさを
存分に描けている点はもう素晴らしいの一言です。
多くのキャラクターが登場した1話ですが、そのどのヒロインにしても本当に可愛いですし、
それぞれの表情一つ一つをとっても感情がよく表現されていてもう見入ってしまう程です。
特に杏のこの表情とか、下校時の椋の表情などは最高でしたね。
あとはもちろん、朋也と渚の表情などは当然のようにとても良かったです。彼らに関しては
本当にその心情まで読み取れてしまうような雰囲気が堪らなくいいなぁと思えました。
ただキャラが多いといった点では、ちょっと駆け足な印象も受けたのは事実ですね。

では本編について。
まず朋也と渚って全く接点のない関係から、今回のように相手の家にお邪魔するようになるまで
その関係が発展していったわけなんですが、これはやっぱり朋也の性格が大きく影響していて、
その人当たりの好さ故の結果なのだと思います。
周囲からはあまりいい印象を抱かれていない彼なわけですけど、でもああやって椋が気を掛けて
くれたり、杏がフレンドリーに接していたところなんかを見ても、決して嫌われているわけじゃないということがハッキリと分かるのですよね。
それに他のクラスメイトも一応は彼らの進路を心配したり、杏のことで弄ったりもしているわけで
それなりの友好関係、というか一応普通に話せる程度の関係というのは築けているわけですし、
いくら不良とは言われていても、むしろ本質的に彼は良識のある人間であると言えるわけです。

けれど、それだけでは何故彼が渚に対して積極的に関わっていくのかは分からないですよね。
いきなり会ったばかりの相手に話をかけ、さらには自分の名を名乗りもして友達にもなった。
その行動原理が分からない。
でもそういった部分というのは話が進むにつれ段々と見えてくるものでもあって、おそらく彼は
坂道を前にして歩き出すのを躊躇する渚という存在に対し、自己投影をしていたのだと
思えてくるわけです。
それはアバンの台詞や、彼女が直面している状況などを含めて考えても分かるところでもあって、
渚と朋也の置かれている環境ってかなり似ている部分があるのですよね。
渚にしてみれば留年をしたせいで周囲の環境から取り残されてしまったし、朋也にしてみても
人当たりは良いとは言うものの “忘れたい場所が染み付いた場所” に留まり続け、
“こうしていて何時か何かが変わるのだろうか?” という漠然とした疑問を抱えながら前に進めずにいる。そういった類似性に彼は直感的に感じ取ることができたのでしょう。

故に、朋也は渚をどうしても気に掛けてしまうのでしょうね。
それはまるで彷徨い続ける自分を観ているようだから。
それに彼が彼女にかける言葉だって最初から最後まで自分自身にも当て嵌まることであって
そういう風に考えてみると、彼自身も潜在的には “変わりたい” と思い願っているということが
言えるのかなと思います。
そして彼が今後、そういった自己投影による応援歌を渚に送り続けることで彼女がもし変わって
いくのだとすれば、それは彼自身にも大きく影響を及ぼすことはまず間違いなくて、
だからこそアバンでの 『俺たちは上り始める。長い長い坂道を―』 という台詞の真意というのも必然的に見えてくるものなのだと言えるのではないでしょうか。


また、彼らの対照的な家族関係を朋也の心理的な描写と独白を用いつつハッキリとした形で
描くことにとって、この作品のテーマ性というものも大分浮き彫りにしてきた印象があります。
言ってしまえば、家族の温かみや人の支えによって歩み続けられる尊い人生。
そういったことをこの作品は訴えているのだと。
もうなんかこうして見ると、本当に1話で多くの提示がなされていた作品だったんだということを
凄く痛感してしまいますね。一つ一つが丁寧で情報量が凄く多い。
それは決して既に結末を知っているとか、原作を知っているとかが理由なのではなくて、
そういう知識がなかったとしても十分にそういったことが感じ取れる作りになっていると思います。
何だかこの作品が大好きな理由が改めて実感できた感じがして、嬉しいですね。
しかも何だか凄く新鮮ですし、これからまた長いこととても楽しませてもらえそうです。
そして今後、その坂道を歩み始めた彼らがどういう感情の推移を経て頂上に辿り着いて
いくのかという、そういったストーリーの軸に対しても大きく期待しています。楽しみです。
再放送して下さっているAT-Xさんにはもう大感謝ですね。
次回 「最初の一歩」
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