空深ク、彼方へ ―

異世界人だろうと、フロニャルド人だろうと、誰だろうとね。
やっぱり “何かを背負う” っていうことはそれだけ苦しいし、辛かったりするんですよ。

特にその “何か” の重さが増えれば増えるほど、重圧に苦しむことになるし
加えて背負い始めともなれば、まだまだその重さには慣れていないものだから余計に辛い。

けれどそうやってそれぞれに託された荷物というのは、途中で放棄することが許されず
必ずその役目を終えたと思うところ、または誰かがそう言ってくれるまでは
頑張って頑張って進み続けて、その責任を全うするしか道は残されていないわけなんですよね。

酷なことかも知れませんが、責任を負うってそういうことだと思います。


　


そして多分、ミルヒもそのことは痛いほど分かっているのでしょう。

まだ先日、姫という子共の立場から、領主という大人の立場になったばかりにも関わらず
直ぐに召還の儀を執り行い、勇者シンクをこの世界に呼び出した。
これは、単に興味本位とか職権乱用とかそんな下らないことじゃないはずです。

だって、ほら。1話のアバンを思い出してみて下さい。

あの時の姫の表情と重苦しい雰囲気、そして後に明かされるビスコッティの敗戦状況を考えれば
あれが苦肉の策というか、今やらなければいけないことだったというのは明白なわけですよね。
まぁ 「召還したら元に戻せない」 っていう事実は知らなかったわけですけど、それでも決して覚悟とか決心が彼女になかったわけじゃない。

彼女のお父さんが何故、領主の座から降りたのかは分かりませんけど、こうやって彼女が
その王位を継承して、国を治める立場になったからこそ、彼女なりになんとかしようと
考えて考えて考えた末に下した決断のはずなんです。

つまり、ミルヒにとってはまだまだ早過ぎる重荷だったのだけれど、彼女は覚悟を決めた。
自分が何とかしなければいけないと。自分がこの国を救うのだと。

そんな風に考えただけでも、まだ領主になって数日とは言え本当に立派だと思いますよ。。
なんて健気で、実直で、芯の通った子なのだろうと思います。それに凄く可愛い。


　


でもね。やっぱり彼女は自分の体と比べたら何倍も大きな重荷を背負っているわけですから
そりゃあ時には挫けそうになって、もう無理だと弱音を吐きたくなることもあるでしょう。

けど、彼女は一人じゃない。

ミルヒにはお父さんの代から引き継いでいる家臣たちが大勢ついているわけですし
何より彼女自身が呼び出した勇者が傍にいるのですから。
だから、これからは自分が未熟だとか駄目だとか思った時はそういう人たちにも頼りつつね。
色々なことを乗り越えていけば、絶対大丈夫なんだと言い切ってしまえるのではと思います。

今回だって1時間かかる道のりを、信じる気持ち(より強いイメージ)によって、その1/6の
たった10分の所要時間で到着してしまったんですから。
しかも、空まで飛べたとかまさに “どんな困難な壁もみんなで力を合わせて頑張れば
乗り越えられる。不可能はない” と断言していることと同義です。

また、そういった意味では背景にあった二つの惑星を一つの輪が囲っていたところなんかを見ても
“相互扶助の関係の大事さ、美しさ” といったところが今回の話のテーマでもあったのではないかと思えるところですよね。

さらには、ダルキアン郷も家臣一同はミルヒを信じていると言ってくれましたし、
これだけ頼もしい人たちがたくさん付いてきてくれるのは凄く頼もしいでしょうから。

そういったことをこれからミルヒも自覚して、領主として精一杯頑張ってくれればと思います。
そしてもちろん、それはその点についてはシンクも同じですね。

お互いピカピカの新人同士、支え合い助け合うことで立派な領主と勇者になって欲しいものです。


　


ただ、レオンとしてはそういった甘さというか、馴れ合いっぽいところが嫌いなんでしょうね。
それは領主としても、権力者としてもあるべき姿ではないと思っているというか。

だからこそ、戦に積極的に力を注いで、自分自身を誇示しようとしているのだと思います。
領主はこうあるべきだと。これが私の生きる道なのだと。

でも、そう思うからには確実に何か原因があるはずなんですよね。
そして、それは彼女の表情の数々を見ても明らかで、何か過去の出来事が確実に関わっている。

それがミルヒ関係のことなのか、彼女の身内関係の話なのかは分かりませんけど
そういったレオンの掘り下げがどんどんされていけば、彼女の行動原理も思考回路も
大分読めてくると思いますし、感情移入もできると思います。

なので、その辺りはとにかく今後の展開で色々と明らかになることを期待するしかないですね。
彼女だって悪い人っていうことは絶対にないでしょうし、むしろ凄くいい人だと思いますから。

また、その辺りがなるとすれば、シリアス展開の元になってくるのかも知れないですね。
まぁとにかく彼女関連のことについてはとても興味深いですし、これからの展開に大いに期待したいと思います。


　


それと、今回は始まった瞬間にもうキャラデザが少し違うなーと思ったわけですけど
戦闘が始まったらもうビックリで。。。戦闘描写が素晴らしすぎましたね･･･。

もうここまでやってくれたら猫設定とか死なない設定とか関係ないです。
緊迫感もありますし、迫力も十二分。このクオリティは見ていて惹き込まれますよ。

それに、レオンとダルキアンはあれで2割とか2割5分とか本気出したらどうなるのと･･･汗
そんなこと言われちゃうと早く本気での闘いを見たくなっちゃいますよねww
前回の感想でも書きましたけど、やっぱり実力のある者同士の戦闘は凄まじかったです。


というわけで、今回はストーリー性、戦闘描写共に素晴らしく、しかもキャラソンと
ライヴ映像まで聴いて見れてしまうとい特典付きで、本当に大満足のお話でした。

これは次回の話と展開にも大いに期待させてもらうしかないですね！楽しみです！




次回　 「星詠みの姫」



てか、シンクは猫にならないので怪我をするって今回明らかになったんですけど
それってかなりヤバイんじゃないですかね･･･？(笑)

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