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『境界線上のリンボ』 感想
![]() | 境界線上のリンボ (1) (まんがタイムKRコミックス) (2010/03/27) 鳥取砂丘 商品詳細を見る |
出会って、触れ合い、教わって。そうして培った感情の数々が時にみんなを幸せにする。
見かけとかイメージだとかよりも、もっと深い場所で関わって生きていきたいものですね。
まず最初に言っておくと、この作品は4コマ漫画というカテゴリーに分類されてはいるものの、その中身・展開・描き方としては全くもって4コマ漫画ではありません。ジャンルとしては日常系異世界モノなので、そのカテゴリーにあってもしっくりくる気がしますが、従来の起承転結から笑いを誘うような構成にはなっていないのです。
だから言ってしまえばコマ割が4コマ漫画風に綺麗に区切られているだけであって、読んでいくと実際はその意味もあまりないような気さえしてきます。話の展開の仕方としても4コマを使っての色々なテーマの小劇が繰り広げられるのではなく、それぞれが一つのストーリーとして繋がっているわけで、4コマらしさはあまりないと言ってしまっていいと思います。
ただそんな形式がどうのこうのは関係なく、物語としてのテーマや話の進め方は非常に面白いですし、素直に読んで良かったと思える作品でした。
凄い笑えたりとか、凄い感動できたりとかそういうことではないのだけれど、その話の区切り区切りでの落ちや結末が、こう心に“じんわり、やんわりと優しく沁み込んでくる”とでも言うんでしょうか。とにかくフワっとした温かさがあるんですよ。
加えて、その心地良さがめちゃくちゃ良くて、凄い良い感じに読み手の心を温めてくれるんです。温めすぎず、かと言って淡々とし過ぎず凄く巧い温度調整が出来ている。またそれにはこの作品のテーマでもある“見かけやイメージの払拭”といった部分が大きく影響しているのだとも言えるのではないかと思います。
色々な種族が暮らす街が舞台なだけに、そこにはやっぱり偏見とかがあったりするんですけど、そんな上っ面的な部分なんか取り払ってしまえば新たな出会いがあったりするんだよとこの作品は克明に訴えかけているんですよね。
そしてその出会いはいつしか、知り合いに変わり、友達に変わり、絆になって、最終的には家族にもなる可能性を秘めているのだという、まさしくなアットホーム感。謂わば、偏見や悪いイメージなんて持っていても全く得になるもんじゃないよ、ってこの物語は静かに且つ、力強く訴え掛けて来てくれるわけなんです。
もちろん、可愛いキャラと温かさほのぼのさがこの作品の重要ポイントでもあるので、あくまで裏を返せばそういうことを訴えているんじゃないかな的な感じですので、説教くさいとかそんなことは全くもってないです。
まぁだから、じっくり読むとそれぞれ一つ一つのストーリーが結構深い話だったりするんです。得に#05ゴースト・ダンス、#07空飛ぶキモチ、#11あの日の事、覚えてますか? とかね。一度読んで、考えて考えてもう一度読んでみて、ジワッと何かを感じ取れる話みたいな。だからそういう話が好きな方は是非読んでみるといいかも知れません。
あとはそれぞれの関係とか相関図的なものの把握が凄くし易くて、話に入り込み易いです。魔法使いや、妖精、意思を持つ自律機械に人獣など見た目が覚えやすいキャラが多いというのも、もしかするとそう思える要因の一つなのかも知れませんし、またそれこそが本作品の何よりの魅力でもあると思います。
というわけで、まぁとにかく良い作品なので興味が沸いてきたという方には是非読んでももらいたいです。表紙の雰囲気が抜群に良いのも高ポイント。機会があれば是非、一読してみて下さい。
だから言ってしまえばコマ割が4コマ漫画風に綺麗に区切られているだけであって、読んでいくと実際はその意味もあまりないような気さえしてきます。話の展開の仕方としても4コマを使っての色々なテーマの小劇が繰り広げられるのではなく、それぞれが一つのストーリーとして繋がっているわけで、4コマらしさはあまりないと言ってしまっていいと思います。
ただそんな形式がどうのこうのは関係なく、物語としてのテーマや話の進め方は非常に面白いですし、素直に読んで良かったと思える作品でした。
凄い笑えたりとか、凄い感動できたりとかそういうことではないのだけれど、その話の区切り区切りでの落ちや結末が、こう心に“じんわり、やんわりと優しく沁み込んでくる”とでも言うんでしょうか。とにかくフワっとした温かさがあるんですよ。
加えて、その心地良さがめちゃくちゃ良くて、凄い良い感じに読み手の心を温めてくれるんです。温めすぎず、かと言って淡々とし過ぎず凄く巧い温度調整が出来ている。またそれにはこの作品のテーマでもある“見かけやイメージの払拭”といった部分が大きく影響しているのだとも言えるのではないかと思います。
色々な種族が暮らす街が舞台なだけに、そこにはやっぱり偏見とかがあったりするんですけど、そんな上っ面的な部分なんか取り払ってしまえば新たな出会いがあったりするんだよとこの作品は克明に訴えかけているんですよね。
そしてその出会いはいつしか、知り合いに変わり、友達に変わり、絆になって、最終的には家族にもなる可能性を秘めているのだという、まさしくなアットホーム感。謂わば、偏見や悪いイメージなんて持っていても全く得になるもんじゃないよ、ってこの物語は静かに且つ、力強く訴え掛けて来てくれるわけなんです。
もちろん、可愛いキャラと温かさほのぼのさがこの作品の重要ポイントでもあるので、あくまで裏を返せばそういうことを訴えているんじゃないかな的な感じですので、説教くさいとかそんなことは全くもってないです。
まぁだから、じっくり読むとそれぞれ一つ一つのストーリーが結構深い話だったりするんです。得に#05ゴースト・ダンス、#07空飛ぶキモチ、#11あの日の事、覚えてますか? とかね。一度読んで、考えて考えてもう一度読んでみて、ジワッと何かを感じ取れる話みたいな。だからそういう話が好きな方は是非読んでみるといいかも知れません。
あとはそれぞれの関係とか相関図的なものの把握が凄くし易くて、話に入り込み易いです。魔法使いや、妖精、意思を持つ自律機械に人獣など見た目が覚えやすいキャラが多いというのも、もしかするとそう思える要因の一つなのかも知れませんし、またそれこそが本作品の何よりの魅力でもあると思います。
というわけで、まぁとにかく良い作品なので興味が沸いてきたという方には是非読んでももらいたいです。表紙の雰囲気が抜群に良いのも高ポイント。機会があれば是非、一読してみて下さい。
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