空深ク、彼方へ ―

あーもうなんだろう。本当にいいですね、こういう空気感。
互いが互いを信じ合ってるというか、だからこそ温かい。

やっぱり由衣の言う通り、誰かに頼られるっていうのは嬉しいものですよ。
何にしたって、何だって構わないんだけど、自分が必要とされているっていうか。
自分が誰かの力になれると思えれば支えてあげたいと思うものです。

逆にだからこそこっちも気兼ねなく相手に頼れるというかね。
そうやってこういう親密な関係が出来上がっていくわけで
見ていて凄く素敵な関係だなぁって感じられます。微笑ましいなぁ。。

でもやっぱりエンギやメリーにはそれぞれ果たしたい夢があって、だからこそ
そういう関係を築き上げることが出来たっていう場所に留まることは出来ない。
そしてそれは由衣も夢路も理解していて、故にこんなにもみんながみんな頑張っていて
必死にどうすればいいのかっていうことを模索しているわけです。


　


特にメリーと夢路のあの “信じない” という揺るぎない心は本当に強い。

というかメリーはもしかしたらまだ半信半疑なのかも知れないんだけど
でもその揺るぎない心を持った夢路が背中を押してくれるから彼女もまた頑張れるというか。

一人じゃ不安でも支えてくれる人がいればそれは安心に繋がっていって
だからこそ、夢に帰れないなんてデタラメだと信じていられる。

ほらあれです。テストとか終った後に一人だけ違う答え書いてたりしたら不安になるけど
同じ答えを書いてる人がいれば、それだけで自信に繋がるのと同じですよ。
加えてそれが凄く信頼できそうな人であればもう百人力ですよね。
そしてメリーにとってのその人が、何を隠そう夢路に他ならないんです。


　


まぁメリーは実際に夢魔を送り返す役目を担っているわけですから
そりゃあ躊躇するのも仕方がないことではありますけどね。
でも夢に帰れる方法がないなんてことは “絶対” に思わない。
そしてそれは夢路が傍にいる限りきっと、変わらない信念でもあるのでしょう。

メリー一人じゃ三日月にも満たない程、細く弱い心でも
夢路がいて、支えてくれているからその気持ちは満月にもなって輝いていられる。

それだけなんですよね。いや、それだけで十分なんです。


　


またそれはエンギと由衣の関係だって同じことでね。

由衣がエンギを全力で支えてあげたいと思うわがままと
エンギが由衣にそんな姿を見せたくないと思うわがまま。

どちらも相手のことを思ってのわがままなわけですよ。
いや、わがままじゃないですね。むしろそれは “思いやり” に他ならなくて。

彼女たちもまた、互いが互いを支えて、思いやりの心を持ち寄っているからこそ
その絆は強くて、満月にもなり得るわけなんです。

“誰かの背中を支える。その背中をまた誰かが支えてくれる。
　そうして出来た輪の長さが、自分の力になる”

爺ちゃん本当にいいこと言うわ。。
もうこの言葉にエンギと由衣、メリーと夢路の関係性というものが凝縮されてますよね。
その力を使う目的はそれぞれ違うんだけど、でも
その力の大きさはきっとどちらも引けを取らないぐらいに大きい。

そんな彼らだからこそ、いつかそれぞれの抱える夢というのを見つけて欲しいですし
これからも諦めないで欲しいと心から思えますよ。

ただ個人的に言わせてもらえれば、エンギの夢は少し方向性を変えてみてもいいんじゃないかな
とは思いますけどね。そういう立場になった人にしか分からないことではありますけど
でもやっぱり憎しみや復讐という感情がいい方向に向かうとは思えないので･･･。

もしかしたらメリーたちの進むべき道を見て、少し考え方を改めてくれる。
そんな希望も彼女たちに対して、今は抱いていますね。


　


しかしながら、そんなこんなしている内に物語りは大きな展開を迎えました。

前回の感想記事で多くのブロガーさんが先生＝ミストルティンだと考えていましたけど
まさにその通りだったようで。。個人的には怪しい雰囲気を感じつつも
そこまで悪名高い敵であるとは思ってなかったので、衝撃的でしたね･･･(汗)

しかしこれで勇魚は夢魔の餌食になってしまったわけで
ここからどう物語が動き出すのかは相当不安な気持ちもありながら楽しみでもあります。

そして河浪さんの正体。おそらく彼女は勇魚を全力で助ける側に立つのかな。
そこで見られるメリーたち、またエンギたちの関わり合いというものにも注目したいです。


終盤を迎え俄然話は大きな山場を迎えた感じ。
相変わらず素晴らし過ぎる演出と作画を携え、どのような結末を迎えるのか。

全く持ってこの作品からは目が離せそうにないですね。




次回　 「夢から覚めずに」

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