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フラクタル #07 『虚飾の街』 感想

 フラクタル7話 シーン1


フラクタルの恩恵。虚栄に覆われた富と名誉の街。
その最たるものを目の当たりにしたクレインは果たして―



前回の話がフラクタルにおける負の遺産についてのものだとするならば
今回はまさしくその逆。

つまりフラクタルの恩恵といった部分を色濃く描いた話となっていました。

そして、その恩恵の最たるものとして映し出されることとなったのが繁栄都市ザナドゥ。
全知全能の虚栄の街。つまりはフラクタルの最高傑作。
そんな場所にクレインは訪れ、フラクタルの最たる恩恵がいかなるものかということを
彼は学ぶことになります。


 フラクタル7話 シーン2


多分、そのファーストインパクトというものは本当に凄まじかったことでしょうね。
目に映る全てが刺激的で、新鮮で。この世のものとは思えない光景。
そんなものを見せられれば、誰だって最初はその凄さに感激してしまうものだと思います。

それに彼の場合は今までもずっとどちらつかずの考えの下で旅をしてきたわけですし
だからこそ変な先入観もなく、ただただその凄さに驚いてしまう。
これも一人の人間としてはとても普通な反応だと言えるのではないでしょうか。


 フラクタル7話 シーン3


ただ、それでも実際にその街に下りて触れてみると、やはり “何か違う” というのは
彼にも感じられるところだったようで。というよりは “彼だからこそ” そう思えるのかな。

やっぱり、どこまでこの街に人(ドッペル)が集まったって、どれだけ繁栄したって
それは全部、虚栄でしかないんですよね。全ては見せかけに過ぎない。
何かを得たとしても、それはただのデータであってそこに温かみは決してないんです。

また、それはヴィンテージをこよなく愛するクレインからしてみれば
本当に寂しいことでもあり悲しいことでもあるわけで、だからこそ彼は
この場を寒いと感じてしまう。

結果、フラクタルというものに価値を見出せなくなるのだと思います。


そしてこういった感覚というのは、やはりクレインだからこそ
感じ取れるものでもあるのでしょう。

どっちつかずとはいえ、何が正義で何が悪かをこれまでもずっと考え続けてきて
自身の五感で色々なことを感じ取ってきた彼だからこそ感じられる感性なのだと思いますし。


 フラクタル9話 シーン4


また、この虚栄の街で暮らす人々(ミーガン)は、どこかその心までも虚栄で出来上がっているように見えてきてしまうわけで、個人的にも見ていてあまりいい印象は受けませんでした。

飾られたものに囲まれている分、自分自身も着飾って自分のことを大きく見せようとしてみたり。相手を貶し、自分を賞賛することで自己満足に漬かりきってみたり。

もうこの時点で、人と人とが向き合うということが全くできていないようにも思えてしまいます。

さらには、ネットの批評ばかりに気を捉われて、その相手を見返してやろうという恨みや妬みでしか、その感情を表現できていない。何の前進もない負のスパイラル。

そんな場所に温かさを見出すなんてそもそもが無理なんじゃないですかね。。
自身の強欲や虚栄心に満ち満ちている人のパラダイスなわけですから。
またお金がないと暮らせない、お金の存在が物をいうというのもその証で。

そういったことを考えていくと、やっぱりフラクタルというこの世界のシステムは
人を人でなくしてしまうただの悪魔的な機械にしか私は捉えることができません



 フラクタル7話 シーン5


それにこの場がフラクタルの最大の恩恵であるということは
この場がフラクタルの限界点であることの裏返しでもあると言えますよね。

そう考えると、この街でさえクレインがその冷たさに失望してしまったということは
彼がほぼ、このフラクタルシステムに見切りをつけ、フラクタル廃絶の側へと
思考を切り替えたことをも意味していることになるのかなと思います。

つまりは、どっちつかずで旅をしてきたクレインがやっと一つの答えを
導き出した瞬間
でもあったと。
そうであるとするならば私はやはりクレインを支持したいし、応援したいです。

ドッペルからは味わえないと思っていた温かさをドッペルのネッサが教えてくれた。
そしてそれをクレインがしっかりと感じ取って受け止めた。
その今までの理屈からは考えられなかった奇跡を今は信じたいですから。


ただもしフラクタルを壊滅させた場合、それと同時にネッサは消えてしまうのでしょうか?
ドッペルという存在はフラクタルシステムの直接的な影響で駆使できるアバターみたいなものですし、それならば同じくドッペルのネッサも崩壊と共に・・・という可能性は高そうですが。

でもネッサにもあの感情の抜け殻のような元の体があったわけですし
出来ればあの元気な姿のネッサが生き残れる道も模索していって欲しいところ。
何でもかんでもは無理だと思いますけど、そういう希望も捨てずに
これからも彼らを見守って行きたいものです。


 フラクタル7話 シーン6


けれども、もう一つ問題というか難点もあって。

それは今回登場したあのコリンという男性なのですが、多分あの人の体はもうフラクタルの医療システムがなければ、既に生きていけないようなそんな状況に立たされているのだと思います。

そしてそういう立場の人間が一人でもいるということは、この世界にはまだ彼と同じ境遇の人が何人も、何十人も・・ 下手をすれば何千人といるのかも知れないというところにまで繋がっていくわけで、そこがこれから、またフラクタルの是非を考えていく上で重要な要素になっていくのかなとも思います。


 フラクタル7話 シーン7


というわけで物語り自体はかなり大きな動きを見せてきた今回の話。
見ていてかなり面白かったです。

相変わらず謎めいた部分は多いですけど、ネッサが鍵であり強力な力を秘めていたことは、色々な伏線から読み取れていたところですし、個人的にはやっと来たかという感じでした。

そしてそれ以上にクレインの気持ちが固まったというのは大きいですね。

フワフワして地に足が着いていなかった主人公が、しっかりとその地を踏みしめた後というのは、かなり頼もしく活躍してくれる気がしますし。とは言ってもそんな彼が撃たれてしまったのだから話はさらに急展開なわけですけどね。

個人的には彼がこのまま死ぬようなことはないと思いますが
果たしてどうなることやら・・・。

それにフリュネの過去についても気になりますしね。
まぁ色々な謎を抱えながら次週の放送も楽しみにしておこうと思います。


それとあれです。

あのネットに住みつく***共がぁ~のくだりはいらんかったんじゃないかなぁー
なんか台詞と雰囲気の流れ的にも違和感バリバリでしたし、それ以上に・・・


・・・まぁあんまり突っ込むこともしたくないので言いませんけど
とにかくあの演出はいらないだろうということです。
あとアニメ外でのプロレスごっこも大概にして欲しいですね。
ネットを見ていると嫌でも入ってきてしまうこの類の情報はアニメを見る上で本当に必要ないですから。

だったらネットを見るなというお叱りも受けそうですが、それ以上に制作陣が不必要過ぎる
お遊びをしているように感じているので一言言わせてもらいました。


とにかく次回のフラクタルは非常に楽しみです。




次回  「(未公開)」



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