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放浪息子 #06 『文化祭 ~Dream of butterfly~』 感想

 放浪息子6話 シーン1


自分をちゃんと理解してくれる人、自分をしっかり見てくれる人。
そんな存在が勇気をくれる。彼にも。そして他の人にとっても―



文化祭の倒錯劇でヒロインのジュリエット役を演じることになった有賀誠。
そんな彼もやはり、本番が近づくにつれ色々な葛藤や重圧を感じていたようでしたね。

多分その理由としては、修一の存在が特に誠の気持ちを刺激していたのかなと思います。

やっぱり多くの人が修一のジュリエット姿を期待していたようでしたからね。
その上彼がジュリエットではないと知った時は 「残念」 とか 「何か違う」 と言っていたわけで
そりゃあ誠からすれば腹も立つし、何よりショックだったはずですよ。
そういった周囲の声というのは彼にとってかなりの苦痛だったのではないかなぁと思います。

それにきっと本人も心の奥では 「にとりんの方がジュリエットに似合う」
思っていたはずなんですけど、それでもそういう比較的なことは考えないように
彼自身もしていたと思うんですよね。

そんな彼に対して、比較するようなことを言ってしまえば誠がどう思うのかというのは
誰でも分かるようなものであって・・・。

そりゃあ、あそこまで疑心暗鬼に陥るのもしょうがないよなぁという感じですよ。


個人的にも 「誠にとっては辛い状況だなぁ」 と見ていて思いましたし、
ちょっとあの一連の過程は可哀想でした。

ユキさんも悪気があって言ったわけではないですし、それにあの時は彼がジュリエットをやることを彼女も知らなかったわけですから、あの場面はさすがにしょうがなかったのかなとも思いますが。

でもだからこそ、あのさおりんの友人は本当にデリカシーがないなぁという感じで
もう本当にどうしようもない奴だと思いましたね。
仮にも年だって彼らより上なわけですから、もう少し色々と考えろよと。

あの子。その内、さおりんに引っ叩かれるんじゃないかな・・・。
いや、引っ叩く価値もないか。彼女にしてみれば。


 放浪息子6話 シーン2


で、話が少し逸れましたが。。

だから誠が舞台の上であんな風になってしまったのも私はしょうがなかったと思うんです。
本番前という緊張にさいなまれているところに、また輪を掛けて
大きなプレッシャーと傷心するような発言を浴びせられたわけですから。

中学1年生の心を挫かせるには十分過ぎるダメージだったと思うわけです。


でも誠は最後の最後でその折れる一歩手前だった心を持ち直すことができたんですよね。
では何故、そんなことが彼に出来たのか。どこにそんな力があったのか。

それは他でもなく、自分のことを信じてくれている存在がいるということに
彼自身が気付けたから
だと思うんです。

それは 「ジュリエットなんかにはなれない」 と思ってしまった彼の心を
「ジュリエットになれるのは君しかいない」 という激励で覆い隠すかのような大きな存在。

千葉さんのあの真っ直ぐで力強い瞳の奥には、そう思わせるだけの熱い想いが
宿っていたように私には見えました。
そしてそんな想いを誠が受け取ったからこそ・・ その力強さ・勇気を分けてもらえたからこそ
彼はまた立ち上がり、劇を再開させることができたのだと思います。


 放浪息子6話 シーン3


つまりはみんなが自分のことをどう思ってくれているとか
誰しもが自分を受け入れてくれるとか、そういうことが大事なんじゃない。

“たった一人でも本気で自分のことを見てくれる、理解してくれる。
そんな存在が何よりもその人の勇気や希望になるんだよ”
と。

そういうことを今回の話は全体を通して視聴者に訴えていたのだと思うのです。

もちろん誠を信じていたのはさおりんだけでなく、他のクラスメイトも同じだったはずです。
でも、実際彼が立ち直れたのは、ほぼさおりんのお陰なわけで
何より誠の 「僕もジュリエットに成り切る」 というあの決意の言葉を聴いたのは
彼女だけだった
わけなんですよね。

だからこそ、その決意を聞いて彼を信じていられたのもさおりんだけだし
その決意をもう一度彼に思い出させることが出来るのもさおりんだけ。

つまりは、たった一人。
自分のことを信じてくれる人がいれば、それだけで人は強く生きていくことが出来るのだと


 放浪息子6話 シーン4


そしてそれは、まさにユキさんの人生においても言えることですよね。

女子トイレに閉じ込められたり、掃除用具入れに閉じ込められたり。
色々嫌な思いでもたくさんあるけど、それ以上にしーちゃんが助けてくれた思い出が
彼女にとってはずっと大きくて支えになっていて。

彼がいてくれたから、彼女は今もこうして元気に暮らしていられるし
“彼” から “彼女” になる決意も持つことが出来た。

他の周りの目がとかじゃないんです。
一人だけ、自分をしっかりと見て理解してくれた人がいたから彼女の今がある。

もう彼女が全てを体現してくれていますよね。


 放浪息子6話 シーン5


またこれとはちょっと違うかも知れませんけど、修一と真穂の関係にもそういったことは
多分当てはめることが出来るのかなぁとも思います。

修一の願望を重ねた今回の劇。主役とヒロインの役はちょっと予定と違ってしまったけど
でも彼がそこに込めた気持ちというのは紛れもなく本物で。
だからこそそれを誰かに受け止めてもらえれば彼だって嬉しいはずですよね。

そう考えると、真穂がそのことにちゃんと気付いてあげたというのは
凄く重要なことでもあって、そこには二人の絆がちゃんとあるんだなぁと
実感できることでもあった
と思うんですよ。

やっぱり真穂もなんだかんだ言って、弟のことはちゃんと理解してるんだなぁと。
姉と弟という関係が少しその間柄を悪く映してしまうことはありますけど
でもこういう会話を見せられると、やっぱり上辺だけで見てはいけないなぁと
なんだか改めて考え直させられる部分は大きかったですね。


その後の、少し嬉しそうに照れる修一の表情もまた印象的。
彼もまた一人では決してないですね。
周りに居るたくさんの支えになってくれる人の力を借りて、これからも
懸命に自分らしく生きて行ってくれればいいなぁと思います。


 放浪息子6話 シーン6


ただ何だかんだ言っても、やっぱり多くの人に認めてもらえればそれは嬉しいし
その人の励みになることは間違いなくて。

一人よりも二人の方がいいし、二人よりも三人の方がいい。それは当然のことです。
だからこそ、そんな当然の欲求を満たせなくて悲しむ誠に
ちょっとした優しさを見せたさおりんは本当にカッコいいなぁと思いました。

この誠の気持ちが少し晴れていくシーンは今回の話の泣きポイントでしたね。
そして劇としては大成功に終れて本当に良かった。清々しかったです。


あとは劇だけではなく、彼らと彼女たちの人生においても最後は晴れ晴れとした
終わりを迎えてくれればいいなぁと。

今はそれを望むだけです。頑張れ、若者たち。




次回  「薔薇色の頬 ~Growing pain~



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