fc2ブログ

アニメの感想やその他諸々について色々と書き綴るブログ。

  »   GOSICK-ゴシック-  »  GOSICK-ゴシック- #08 『過去の大国に遠吠えがこだまする』 感想

GOSICK-ゴシック-

GOSICK-ゴシック- #08 『過去の大国に遠吠えがこだまする』 感想

 GOSICK8話 シーン1


さぁ、帰ろう。そして旅立とう。
二人の未来はこんなにも輝きに満ちているのだから。



いやぁーよかったですね。素晴らしい締め方を迎えたと思います。

事件の方はまぁそれなりにという感じでしたが、そこから生じる人間ドラマというのかな。
ヴィクトリカにしろ、アンブローズにしろ、それぞれが抱える葛藤を乗り越えていって。
今回の主人公はむしろ、一弥よりアンブローズだったような気がしなくもないぐらい、彼にも好感が持てました。

なので今回の感想はその辺りにまた焦点を当てて書いていこうと思います。
事件の詳細関連についてはほぼノータッチになるかと思いますがご容赦を。


 GOSICK8話 シーン2


とにかくまず一弥のカッコ良さが際立っていましたね。
ヴィクトリカを庇う動きの描かれ方とか、台詞の一つ一つに凄く痺れました。

まさに “守る” という言葉を具現化したような、本当に主人公らしい主人公だと思います。
まだ年頃なだけあって、色々と幼い部分もあったりしますけど、
それを補うには十分過ぎるくらい、彼は勇敢で男らしくカッコ良いですよ。

ただ彼もやはり、ヴィクトリカが普段通り接してくれていない状況には絶えられないようでしたね。
「絶交だ!」 なんて言われた直後はあまり深くは受け止めていなかったようでしたけど
それでも彼女のその後の反応とか見て、色々と反省した部分も多かったのではないかなぁと思います。

でもそうやって失敗しながらも色々と接していかなければ、お互いのことを深く理解することは
できないわけですからね。それもまた良い経験だったと思って前へ進むための糧にすれば
もっと二人は固い絆で結ばれていくと思いますし、プラスに考えてみて欲しいものですね。

まぁ彼のヴィクトリカ好きーな姿勢は今に始まったことではないわけですし、何があっても大切な友達は自分の手で守るというスタンスは、これからも決して揺るがないのでしょうけど。

幽霊船、図書塔最上階での戦いと経て、彼はどんどん逞しくなっていきますね。


 GOSICK8話 シーン3


そしてそんな彼の逞しさと同じく、必死になって手を差し伸べたあのヴィクトリカの姿もまた
非常に強く、輝いていたように思いました。

彼女にしたって一弥を大切に想う気持ちは本当に強いわけですからね。
神託の際にだって一弥と同じ質問をしてるわけで、もうこの二人は相思相愛なんです。

それに、一弥がヴィクトリカを失くしたくない、もう絶交なんてしたくないと思う気持ちと同じくらい
彼女もまた一弥と離れ離れになるなんてことはこれっぽっちも望んでいないわけで
だからこそ、彼が身を挺して自分を守ってくれる時はヴィクトリカもいつだって必死なのだと思います。

もう今の彼女にとって彼は全く変えの効かない、一番大切な存在とさえ言えるのでしょう。


GOSICK8話 シーン4GOSICK8話 シーン5


また、そんな “大切なもの” といった点については、あのペンダントが千切れてしまうシーンは
凄くいい演出だったなぁと思いました。

それこそあの場面は、ヴィクトリカにとって何が今一番大切なのかというものを
克明に訴えていましたから。

そしてそれは、彼女自身の 「我々は今を生きている」 という言葉ともまたリンクしていて
母の無実を証明したことで、彼女が過去と母の呪縛から解き放たれたことも暗示していた
わけです。

過去の遺産より、今を。そしてその先の未来を生きようとするそんなヴィクトリカの姿は
やはりカッコ良いですし、凛々しいですね。
そしてそれは彼女がこの町で新たに生まれ変わり、灰色の狼でも金色の妖精でもなく
“ヴィクトリカ” という一人の人間として新たなスタートを切ったことをも意味していたと思います。

だから何となくですが、彼女はもう母との再会を望んでいないのではないかなぁって気がします。
もちろん会えるとなれば会うのだとは思いますけど、それこそ無理にはそれを望まないだろうと。
なんて言っても、もう彼女の隣には一弥という存在がいるのですから。
彼がずっと傍に居てくれるだけで、それ以上に彼女が必要とするものは多分もうないでしょう。

まぁあるとすれば、お菓子ぐらいかなって思いますけどね(笑)


 GOSICK8話 シーン6


自分の手で掴むからこそ人生は面白い―


また個人的には今回の一連の事件の主役でもあったと感じるアンブローズですが
彼もまた自らの手で “生きる” ということの意味を掴み取り、
その結果、彼自身も凄く成長できたのではないかなぁと感じられました。

彼だってブライアン・ロスコーに教えられたことを胸に色々と考えるところがあったわけですよね。
外の世界に興味を持ち、外の人間に興味を持ち、多くの探究心を抱えていた。
でもやっぱり彼だってあの村の一員なわけで、長いものには巻かれろってわけではないですけど
そうせざる終えなかったという状況下にはいたと思います。

それはあの長老の性格からしても。またあの村の環境からしても。


GOSICK8話 シーン7GOSICK8話 シーン8


でも彼だってそれじゃいけないんだと、自分で動かなければいけないんだと
分かっていたんじゃないかなぁって思うんですよね。
村の掟だの、神託のお告げだの、そういうことだけじゃ計り知れないものがあるのだということを。

だから彼は自分の意思で動けたのでしょう。あの現場をただただ見ていた長老や他の村人達とは違い、自分自身で決め、その両手で一弥やヴィクトリカの運命を変えた。
そして自らの人生さえもその行動を起こすことによって変えようとした。

それだけでも、彼にとっては大きな一つの進歩だったと言えますよね。
さらには “彼が灰色狼の一族から一人の人間へと生まれ変わった瞬間” でもあったと。

遥か昔に名が消えたとされるセイルーンの名に縋り、その中の掟や風習だけで全てを決め
あの村の中でその人生を全うするであろう彼ら。
それがいけないということでは決してないですけど、でもそれってやっぱりつまらないですよ。
それに何か寂しい。特に彼らの場合は考えることを止めていたようにも感じる節がありましたしね。

だからアンブローズは凄く私には立派に見えました。
自らの人生を切り開いたことで苦労はしたし、その手は酷く傷ついてしまったけど
それでも彼の未来は大きく開けたわけですから。

一つのことに捉われず、考え、自分の手で何かを掴み取る
それが “今を生きる” ということなのかなと思いました


 GOSICK8話 シーン9


またそれはヴィクトリカにとっても同じことですね。

自分の体を犠牲にしても誰かを守り抜く、何かを掴み取る。そんなことの素晴らしさ。
ヴィクトリカのあの手の傷も立派な一つの勲章ですし
彼女も日頃、一弥がどれだけ痛い思いをして守ってくれているのかということが
理解出来たのではないかなぁと思います。

もう二人の絆はどんどん深まっていくばかりですね。


そして過去を断ち切り、これからを見据えて今を生き続ける一弥とヴィクトリカ。
そんな彼らだからこそ、その未来は輝きに満ちているのだと思いたいし信じたいです。

どんな神託であろうと彼らはそれをも自らの手で跳ね返し
その手で希望の光を掴み取ってくれると思いますから。

そう信じて、これからの二人の行く末をずっと見守っていきたいものですね。




次回  「人食いデパートに青薔薇は咲く



何だかんだ言ってやっぱり出てきたグレヴィール。
彼もまたカッコ良かったです。



【Amazon.co.jp限定ヴィクトリカ コルクコースター付】 GOSICK-ゴシック-BD版 第1巻 [Blu-ray]【Amazon.co.jp限定ヴィクトリカ コルクコースター付】 GOSICK-ゴシック-BD版 第1巻 [Blu-ray]
(2011/04/22)
悠木 碧、江口拓也 他

商品詳細を見る


関連記事

Comment
Trackback

GOSICK―ゴシック―#08

第8話 『過去の王国に遠吠えがこだまする』 ええ~、なんで“メインテーマ”まで蔑ろになってるの? ぶっちゃけ、今回の“灰色狼エピソード”は不満の方が多かった。 “今後に期待”と言うよりは…“ここに来て不安”に なって来た――ツルっと拾い!

GOSICK─ゴシック─ 第08話 『過去の王国に遠吠えがこだまする』

村長が人殺し。やっぱ追放されるのかな。 わしが撃ったのは狼だいや、目の前に銃で撃たれた人が倒れていてそれは苦しくないでしょうか。コルデリアも追い出したんだからそこはちゃんとしませんと。アンブローズによると、例え村長であっても証を立てないとダメらしいです?...

GOSICK 第8話 過去の王国に遠吠えがこだまする

わしが撃ったのは熊だ! 人じゃないもーーん☆ ほんと腹立つ村長だ。 ヴィクトリカの知恵の泉が真価を発揮する  

GOSICK -ゴシック- 第8話 過去の王国に遠吠えがこだまする

狼と誤ってラウールを射殺したと思われるセルジウスですが、自分が撃ったのは狼だと否定。 タイミング的にも苦しいと思いますが… そして、ヴィクトリカによる事件の種明かし。 聖 ...

GOSICK -ゴシック- #8

【過去の王国に遠吠えがこだまする】 GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき (富士見ミステリー文庫)著者:桜庭 一樹富士見書房(2004-05)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る 君は僕の友 ...

「GOSICK-ゴシック-」第8話

  第8話「過去の王国に遠吠えがこだまする」夏至祭の最中、村にやってきたよそ者2人が殺された。その死の謎を解くヴィクトリカ。しかし、村長は「ここはソヴュールではない」と...

GOSICK -ゴシック- 第8話 「過去の王国に遠吠えがこだまする」

 ヴィクトリカちゃんマジ怪力……

GOSICK-ゴシック- 第8話「過去の王国に遠吠えがこだまする」

GOSICK-ゴシック- 第8話「過去の王国に遠吠えがこだまする」です。 いよい

GOSICK-ゴシック- 第8話 「過去の王国に遠吠えがこだまする」

第8話 「過去の王国に遠吠えがこだまする」 解決編 アランとラウール殺害の犯人は仲間割れ(独り占めしたい)デリクの犯行ということでサクッと解決。 華麗に?グレヴィール登場!今日もドリルが...

GOSICK -ゴシック- 第8話 過去の王国に遠吠...

う~ん、半ば分かってた事とは言え前回の自分の推理が大外れしててワロタwでも、何か一つくらい当たっても良さそうなのにかすりもしなかったのは、ある意味奇跡かも(・∀・)ま、自虐...

『GOSICK -ゴシック-』#8「過去の王国に遠吠えがこだまする」

「20年の時を越え、 コルデリア・ギャロの無実に証を立てる」 コルデリアの無実を証明に来たはずが、 ともに村にやってきた青年アランに引き続き、今度はラウールが亡くなってしまう。 ラウールは村長の発砲先に倒れていたのだが、 村長は頑なに自分は狼を撃った...

GOSICK-ゴシック- 8話

ヴィク「ファイトーッ」九条「いっぱーつ」というわけで、「GOSICK-ゴシック-」8話桑島本領発揮の巻。前村長殺しの真犯人は顔芸メイド・ハーマイニアさんでした。動機は、占いの結果 ...

GOSICK -ゴシック- 第8話「過去の王国に遠吠えがこだまする」 感想 【コルデリアとブライアン・ロスコー】

ヒャッハー!また大ハズレだぜ! 予想するだけ恥をかくだけだなこりゃ。 でも予想しないとミステリーはつまらないからなぁ。 本エピソードは「予言は必ずしも幸せを呼ぶものではない」という話でし...

GOSICK -ゴシック- 第8話「過去の王国に遠吠えがこだまする」

ヴィクトリカは母の無実を証明できるのか!?

GOSICK―ゴシック― 08話『過去の王国に遠吠えがこだまする』 感想

じいさんごめんよぉ(´・ω・`)

GOSICK-ゴシック- 【8話】 「過去の王国に遠吠えがこだまする」

ゴシック、8話。 まず1人目死者。 ヴィクトリカは何かに気付いたようだ。 ・・・全体を通して・・・ ヴィクトリカらは、張り込み捜査。 窃盗犯の張り込みw えー。 もう事件解決ですか。 ヴィクトリカのよくわかる解説の時間www 長老が発砲して死んだとばか...

GOSICK -ゴシック- 第8話「過去の王国に遠吠えがこだまする」

脚本:岡田麿里/絵コンテ:京田知己/演出:中村里美/作画監督:堀川耕一 三輪和宏狼だと思い村長セルジウスが撃った相手は散歩中だった余所者の青年ラブールだった。自分は狼を撃っただけと言い張るセルジウスだが、アンブローズは証が必要だと考える。あの状況では誰...

GOSICK -ゴシック- 8

第8話 「過去の王国に遠吠えがこだまする」?村長はオオカミを撃ったと主張してますが、撃たれたのは例の男達の一人。ヴィクトリカの推理により、犯人を聖堂で待ち伏せ。現れたのは ...

GOSICK―ゴシック― 第8話 「過去の王国に遠吠えがこだまする」 感想

ヴィクトリカの可愛さは相変わらず! 今回、そして20年前の事件に対しては、ちょっと……。 夏至祭の最中、村にやってきたよそ者2人が殺された。 その死の謎を解くヴィクトリカ。 しかし、村長は「...

GOSICK -ゴシック- 第8話 「過去の王国に遠吠えがこだまする」

「20年の時を越え、コルデリア・ギャロの無実に証を立てる」 ついに20年前の真実が明かされる…!! 隠された真実と、本当の犯人――!    【第8話 あらすじ】 夏至祭の最中、村にやってきたよそ者2人が殺され...

GOSICK-ゴシック- 第8話「過去の王国に遠吠えがこだまする」

運命と呪縛の外へ。

GOSICK 「過去の王国に遠吠えがこだまする」

思ったより早くに解決しましたね

GOSICK -ゴシック- 第8話「過去の王国に遠吠えがこだまする」

閉ざされた王国と縮まる二人の距離 (今回はちょっと辛口の感想です)

GOSICK 第8話

GOSICK 第8話 『過去の王国に遠吠えがこだまする』 ≪あらすじ≫ アランに続いてラウールまで殺害されてしまう。この現状を嘆き、村長や村を想うアンブローズに対し、ヴィクトリカは村長が無実である“証”...

GOSICK -ゴシック- 第8話「過去の王国に遠吠えがこだまする」

放映枠の時間のわりに元の文章のボリュームが多いというのまではわかりますが、だからといってわざわざ余計なツッコミどころを拵える必要はないでしょうに・・・というのが、まず思った感想です。 ヴィクトリカもハーマイニアも身体能力どんだけよ?!・・・にしか見えな?...

【GOSICK 第8話-過去の王国に遠吠えがこだまする】

ムキになって洗った手に、こびり付いてる真っ赤な血。あの日からずっと。

GOSICK -ゴシック- 第08話 「過去の王国に遠吠えがこだまする」

桑島声はやはり死亡フラグ…。 ということで顔芸メイドのハーマイニアさんがシオドア殺しの犯人で橋から落ちて死亡しました。 動機は占いの結果が悪かったから。と書くとすごくしょぼく感じますね。 実際は神託で26で死ぬよって言われたから未来を変えるために殺した...

GOSICK・・・第8回「過去の王国に遠吠えがこだまする」

2011/02/26 放送分総評!評価グラフの詳細に関しては以下の記事をご参照ください。http://blog.livedoor.jp/superunkman/archives/50750907.htmlドリルのどや顔今回は今までと比べるといまいちだったか ...
Trackback URL
Comment form













管理者にだけ表示を許可する

【向日葵の教会と長い夏休み】応援中!
プロフィール

Author:Shirooo

御用の方はこちらからお願いします ⇒ mail
QLOOKアクセス解析

リンク一覧 (相互)
応援バナー
Counter
ブックマークエントリー
人気記事ランキング
zenback

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ ブログパーツ