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GOSICK-ゴシック- #05 『廃倉庫には謎の幽霊がいる』 感想

 GOSICK5話 シーン1


“信じ合える” たったそれだけのことがこんなにも美しい―


伝承とクイアランの挑発、また自身がここまで感じ取ってきたヴィクトリカに対する不思議なイメージ。それら全てが相まって、一つの考えが一弥の脳裏をかすめてしまいます。

それは “ヴィクトリカは金色の妖精、本当は存在しないのでは?―”
という根も葉もないただの憶測。

確かに彼自身以外ではほとんどの人がヴィクトリカの存在を知らないのかも知れないし
そういう怪談話が合わさることで彼がそう考えてしまうのも無理はないのかも知れません。
少なくとも不安になってしまうのは仕方がない。

周りがゴシック小説のような噂話を簡単に信じてしまうような環境でもあるわけで
そういう雰囲気を漂わせている場所なら “そうかも知れない” と思うには十分なはずですから。

さらには先程も言ったように、ヴィクトリカ自身からも謎めいた空気を感じるわけで、一弥にとってはネガティブに考えざる終えないような情報がたくさん彼の周りを取り囲んでいるんです。


こんな状況に立たされれば誰だって悪い方へと少なからず考えてしまうものだと思います。


 GOSICK5話 シーン2


けどそういった根拠もない雰囲気だけの “ただの情報” なんかより
彼はもっと確かで温かみのある “実感と信頼” を既に手に入れていたんですよ


それは二人で見た汽車からの風景や船から見た美しい朝焼け。
共に経験した恐怖や互いの身を守りたいと思う気持ち。
さらには、二人で交わした下らない話やちょっとした喧嘩、そして触れ合った感触。

まだ二人は出逢って間もないのだけれど、そんな短い間にも多くのことを彼らは積み上げていた。
だからこそ、それが幻想だなんて考えられないし、信じられない。信じたくもない。
そして、そんな子供だましの伝承よりもヴィクトリカ自身を信じたいし、信じてあげたい。

何よりそう想うのは一弥にとってヴィクトリカがたった一人の友達だから。
いや、この際 “たった一人” かどうかは重要ではないのかも知れません。
彼にとって “大切な友達” だから。それだけで十分なのだと。

だから一弥は断固としてヴィクトリカの存在が否定されることを認めなかったのでしょう。
“ヴィクトリカは僕の友達なんだ” という台詞には怒りさえ込められていたように感じました。

彼のヴィクトリカを信じるその姿は逞しく、本当に男でしたね。


 GOSICK5話 シーン3


そして一弥の想いに呼応するかのように彼を助けにやってきたヴィクトリカ。

彼女はクイアランの
『友達なんかいないくせに、あんたじゃなかったら誰が持ってるって言うんだい』
という問いに 『私が持っているのだよ』 と声高に宣言していました。
これは逆に考えれば “私が友達なんだ” と言っているようなものでもあるんです。

この一連の流れを見ているだけでも、彼らが
どれだけ信頼し合っているかというのがよく分かると思います。

それにあそこまでヴィクトリカが怒ったように感じたのは初めてだった気がしました。
前回の喧嘩はどちらかと言うと拗ねているという感じでしたし。
多分、それほど自分の友達を傷つけていたクライアンのことが憎かったのでしょう。

そして最後に放った彼女の言葉。“その男は私の下僕(友達)なのだよ”
相変わらず素直になれない彼女の性格は健在でしたけど、
それでも彼女なりの愛が感じられるシーンだったと思います。


 GOSICK5話 シーン4


で、前回も先程も “ヴィクトリカは素直になれていない” と私は言ってきました。
これは多分、傍からこうして見ている分には合っているのだと思います。

プライドや性格が邪魔して自分の気持ちはハッキリと言えないし、高圧的になってばかり。
本当はもっと一弥と仲良くなりたいのだろうけど、そうもいかない。
どう見ても自分の気持ちに正直に、素直になれていないんですよね、彼女は。

でももしかすると実際は、半分正解で半分間違いと言ったところなのかも知れません。
いやきっとそうなのでしょう。

そう思ったのは今回で明らかになったヴィクトリカの行動が切欠でした。


 GOSICK5話 シーン5


それは、知らない人が植物園に来るとタンスの中に隠れてしまうという彼女の習慣

今までの感想でも述べてきたように、彼女は本当に人と接する機会が少なかったわけです。
どういう風に対応すればいいか分からないし、どう思われるのかも凄く怖い。
エレベーターから来るのは必ず大人であり、形式的な密会と会話しかしないわけだけども
階段から上がってくる人に対してはどう接すればいいのか分からない。

だからこそ、隠れてしまう。人との関わり合いという部分では凄く不器用なんですよね。
そしてそれこそまさに素直になれていない証拠でもあるわけです。

でも一弥の場合は違った

彼女がどうして一弥からは隠れなかったのはちょっと分かりかねるところですが
もしかしたら色々な大人(主に担任の先生)から彼の話を聞いていたのかも知れません。

だからもしかしたらヴィクトリカはそういう話を聞く中で “もしかしたら一弥となら…”
そんな風に考えたのかも知れないですね。(もちろん、これは憶測に過ぎないですが。)

そうでなかったとしても、ヴィクトリカは “彼となら…” と絶対に思ったはずです。
そうでなければあの時も同じようにきっと隠れていたに違いないですから。

故にそう考えると彼女はもうその時点で少しだけ素直になれているんですよね。
この人となら知り合いに、友達になれるかも知れないと思った
そういう自分の気持ちにちゃんと素直になれていた。
多分、彼女にとってはそれだけで凄く大きな進歩だったんじゃないかなぁと思います。

だから彼女が素直じゃないとは言い切れない。
むしろ彼女自身からしてみれば、かなり頑張って素直になっているのかも知れません。

一弥と出逢ったことでヴィクトリカはどんどん変わっているのでしょうね。


 GOSICK5話 シーン6


“金色の妖精。彼女はこの世の全ての謎を知り、悩める者に道を示した。
 だがその見返りとして魂を要求し、そして、食べてしまうのだと言われていた。

 本当に?   『いいえ』

 本当はただ一緒にいたいだけ。彼女は信じている。
 永遠に離れることのない自分だけの魂があると。そんな魂といつか出逢えると。
 いつか、きっと―”



一弥なりのヴィクトリカに対する解釈。それが正しいかどうかなんて誰にも分かりません。
でも彼自身が永遠に離れることのない友達であると誓ったのなら
それはきっとヴィクトリカにとってもこれ以上ない喜びになっていくのだと思います。

伝承なんてただの伝承。そんなもの自分たちの手で変えてしまえばいいだけのこと。
『いいえ』 と優しく答えた彼とヴィクトリカの背中を見守りながら
これから起こるであろう多くの展開を楽しみに視聴していきたいと思います。


本当に美しいものを見させてもらいました。




次回  「灰色の狼は同胞を呼びよせる



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