空深ク、彼方へ ―

想いを寄せる相手のために自らの人生を捧げたさやか。
でもそれは決して間違ったこととは言えないんですよね。

彼女は魔法使いになることがどういうことなのかを理解した上で契約を結んだ。
自分の命と上条君の人生を天秤に架け、全てを受け入れた上で魔法少女になった。

「命懸けで戦う破目になったって構わないって･･･ そう思えるだけの理由があったの」
この台詞こそがもう何よりの証拠なんです。


　


さやかだってならなくてもいいものならきっとなっていませんよ、魔法少女なんかに。
色々と悩んで、色々と見て、たくさん苦しんだ。そんな簡単に決めたわけじゃない。
でも、それでも自分がそうしたいと思えたから。そうするべきだと決心ができたから。
そして何より、大切な人の幸せが自分の幸せだと思ったから。

だから “後悔なんて、あるわけない”。

腕が治ったことで少しの自信と生きる勇気を取り戻した上条君の姿を見たことで
きっとさやかのそんな想いは確信に変わったことでしょう。

うん、本当に良かったよ。上条君が喜んでくれて。
何よりもまたバイオリンを、しかもさやかの目の前で弾いてくれて。

こういう展開になっただけでも個人的にはかなり嬉しいです。
世の不条理だけを描かず、互いが “よかった” と思える希望もしっかりと描いてくれたんですから。

もちろんこれから、さやかが魔法少女としてどういう状況に立たされるのかは全く分かりません。
もしかしたら物凄く危険で辛い場面に遭遇してしまうかも知れない。
それでも今の彼女の心は嘘偽りのない素直な喜びと幸せで一杯なんです。

それに、一時の幸福のために全てを棒に振ったなんていう風には私は全然思いません。
だって上条君のバイオリニストとしての幸せはずっと続いていくんですから。
そしてそれは先程も言ったように、さやか自身の幸せでもあるわけですしね。


　


また、ほむらの “彼女も契約すべきじゃなかった” という台詞にも賛同はできませんね。
特にこういうさやかの強い想いを見せられた現段階では。
それにさやかは蛮勇なんかではないでしょう。
その辺はちょっとほむらがさやかのことを分かってないんじゃないかなぁと思います。

ただ彼女が魔法少女というものに対して深い考え方を持っているのは明らかなわけで
あの場面での台詞一つ一つにもちゃんとした意味と道理があるのだろうなぁとは感じますけどね。

その辺りは彼女がいまだに謎過ぎる存在というのもあってちょっともやもやしてます。
「そうは思えないけど、、まぁそうなのかも知れないなぁ･･･」
という凄い曖昧な感じと言えばいいのかな。。

まぁいずれ彼女についてのバックボーンも明らかになることでしょうし
その台詞の意味もよく分かる時がくるかも知れませんから、その時を今は待ちたいですね。
まどかへの忠告なんかは物凄く的を得ていたわけですし。

たださやかに対しての台詞はその通りにならないよう願いたいものです。


　


魔法少女としての信念と宿命―


『彼女は魔法少女になることがどういうことなのかを理解した上で契約を結んだ』
冒頭で私はこう述べたわけですが、このこと自体に間違いはないと思っています。

ただこうも思うわけです。
『彼女は魔法少女として戦うことがどういうことなのかまだ理解していない』っと。

もちろん前者の通り、さやかは魔法少女となったことで人生を捧げてしまったという自覚はあると思います。それでもいいからたった一つの願いを叶えたわけで、その決心は既についている。
けれど、その魔法少女というものがどのようなものなのかは彼女はまだその片鱗しか知らないわけです。言い換えれば、マミという魔法少女の姿しか彼女はまだ知らない。

そしてそれは、人々を魔女や使い魔の手から守るという魔法少女の姿なわけで、そうなるとさやかがそういった魔法少女としての姿勢を踏襲するのは自然な流れではあるんですよね。


だから彼女の中では、そういったマミの姿勢がそのまま
魔法少女としての信念となっているわけです。


　


でも全ての魔法少女がそういう信念を持っているわけではないんですよ。
それは以前、マミ自身も言っていたようにだからこそ争いが起こる。

きっとこれは魔法少女として生きていく上での宿命なのだと思います。

そして多分、さやかもそこの部分は理解していることなのでしょうね。
だからこそ彼女もやり返した。自分の信念を折られるわけにはいかないから。
それはマミさんをも侮辱されることに繋がるから。

ただ問題はここからなんですよね。。

だって魔法少女として長く生きていけばどんどんその片鱗以上のものを見せつけられるわけで
マミに教わったこと以上のものや、仮体験の時に経験した以上のことなど、色々な多くのことを彼女はこれから経験するはずなんです。

そして、そういった部分についてはまださやかにとっても全くの未知数なわけで
それらのことを彼女が認識した時に、どれだけ今の信念を貫いていけるのか。

そこが今後のさやかにとって、一番の重要なポイントなのかなと思います。


　


そういった意味で気になるのは、やはり杏子の言っていた弱肉強食の構図でしょう。
そしてソウルジェムとグリーフシードの関係。

弱肉強食というのは強者が弱者を食うというものを表しているだけではありません。
では何を表しているのか言うと、『どの種族の生物が何を食して生きているのか』
これを表している構図が弱肉強食の世界というわけです。云わば、食物連鎖ですね。

そう考えると魔法少女はまさに魔女を食していると言えるわけですよね
ではその魔女は何を食べるのか。それは作中でも説明のあった通り “人間” です。

要するに 魔法少女は人間の犠牲なしでは生きていけないということになる わけですよ。

そしてそこで関係してくるのがソウルジェムとグリーフシード。

まずあのソウルジェムですけど、今回は初めてその精製の仕方が明らかになりました。
キュウベェが契約をした相手の胸に耳を当て、その胸部から何かを練り出す。
これって多分、その人の生命(魂？)そのものを取り出して形にしているのだと思うんですよ。
その結果出来上がるのがソウルジェム。

となればそれが黒く淀んでいってしまった先にあるのはやはり死なのかなと思うわけです。
だからそれを浄化するためにグリーフシードが必要なのだと。

では、そのグリーフシードを持っているのは？ 他でもなく魔女ですよね。
もうここまでくれば説明はいらないと思いますけど、
要するにこの考察が正しければ、先程述べた赤字の部分が完璧に立証されてしまうんです。

そしてそれはさやかの魔法少女としての信念と真逆の事実でもあるわけで
ちょっとその辺りが心配と言うか不安と言うか。。。

まぁこの考察が見当違いのものであれば、さやかも気兼ねなく魔女でなくとも使い魔を倒していけるわけで
もちろん私はそっちの展開を望んでいるんですけどね。


とにかく、その辺の設定は今後絶対に明かされることではあると思いますし
自分の浅い考察など外れてしまえ！と思いながらこれから視聴していきたいですね･･･(苦笑)

本当にさやかには頑張って欲しいし、少しでも幸せでいて欲しいと思います。
凄くいい子ですよ、あの子。友達を気遣って気丈に振舞う姿勢とか泣けてくる。
あんまり酷い目にあったらちょっと本当に泣いちゃうかも。。


あとキュウベェが必死過ぎて違う意味で酷いですねあれはww
もうどうにかして、まどかと契約取ろうという姿には呆れるばかり。
あの珍獣の勧誘に対しては、ほむらの活躍に期待したいところです。




次回　「こんなの絶対おかしいよ」



あの使い魔役の声優って悠木碧さん？？ だったら本当に凄いなあの人。

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