空深ク、彼方へ ―

いやもう何なんですかねこれは(笑) もう凄過ぎるでしょ。
BGM、描き込まれた背景画、演出、作画。どれをとっても素晴らしい！！

もう賞賛と拍手をいくら送っても足りないぐらいの気持ちです。

最初にその凄さに驚いたのはあのスーパーとか雑貨屋のシーンでした。
とにかく棚に並んでるものとかこと細かく描き込んであるんですよ。
それもここまでやるのかというぐらいにまで。
なんか写真を加工でもしてるんじゃないかと思うぐらいです。

それでいて特に主張してくるわけでもなく、うまく画面の中に溶け込んでいるんですよね。
一枚の背景画を魅せるシーンならともかく、こういったシーンでここまでやるのは
あまり最近では見たことがないかも知れません。
(けいおん！！なんかは凄く細部まで拘って描かれていましたが。)

加えてメリーが孤独だったことを伝えるためのいくつかの描写でもその背景が凄く綺麗で。
まぁ全体としては重々しい感じだったわけですけど凄く繊細に描かれていて
その分、どれだけメリーが孤独だったのかというのが凄く読み取れる感じがしました。

で、、何と言ってもやっぱり一番の見せ場は戦闘描写で満場一致のような気がします。
疾走感、緊張感、迫力、威力感。そういった戦闘シーンには欠かせない要素がこれでもかというくらいに描かれていて、まさにこちらも息を呑んでしまうような場面でした。
相手の凄さはもちろんのこと、メリーがどれだけ凄い夢魔なのかということがよく見て取れました。

それに夢路のダイビングレシーブや戦闘時のBGMなんかはかなり良かったです。
それぞれのシーンをよく補助していたと思います。単体でも聞いてみたいオケでした。


とにかく色々な意味で今回の回は特に凄かったです。見ていて全く飽きない。
緩急も良くてもうめちゃくちゃ面白かったですよ。
視聴前はあまり期待していたわけではなかったアニメですが、これは土下座レベルです(笑)



・泣き虫メリーとの決別―


それでは、ストーリーについて思ったことを。

とにかく、何より衝撃的だったのはメリーが10年以上も独りきりでこの世界を彷徨っていたということでした。
しかも、その月日を夢への帰り方を探すためだけに費やしていたということ。

なんかこの事実を聞いただけで、どれだけメリーが独り寂しい思いをしてきたのかということを考えると
凄く胸が締め付けられてしまいます。。
メリーが夢路に出逢えたことは本当に何にも変えがたい喜びだったんでしょうね。
何よりも二話であれだけ強がっていたメリーの本音がこれだったと思うと
もう何とも言えない気持ちになってきてしまうところです。

ただもうそんな独りぼっちの時間とはさようならですね。
人知れず孤独に対して泣いていた自分とはお別れ。
10年以上も時間は掛かっちゃいましたけど、この世界にも夢や希望があると知ることができた。
これからはあの “ありがとう” と言った時のような笑顔で過ごせる日々もきっと増えることでしょう。

夢の世界に帰るための希望になり得る情報は相変わらず掴めていないわけですけど
彼女にとっての生きる夢と希望は見つかった。今はそれだけでも十分な気がします。



・｢夢や希望に裏切られる事もある｣
　そんなメイの言葉を痛感する事実に果たしてメリーたちは―


けれども、そのままイイハナシダナー･･･で終わることはなく。。

そういったメリーの希望、新たな役目というのは決して褒められるものではなかったんですよね。
というか “やってはいけないこと” だったわけです。

しかもその上、夢に戻る方法はないということまで告げられてしまったわけで
ちょっと今のメリーにはこれ以上ない辛い出来事だったでしょうね。。


だけど、私はそれでメリーの夢や希望が失われるということにはならないのではと思います。

確かに “夢喰いメリー” という名の希望は捨てなくてはならないのかも知れないし
もう見てはいけない夢なのかも知れません。全てがエンギの言うとおりであるならば。
でも、この言葉はただの切欠に過ぎないんですよ。

本当にメリーが得ることができた夢や希望というのは “夢路そのもの” なんです。
初めてメリーにできた友達。一緒に居て楽しいと思える人間。
それが多分、彼女にとって何にも変えられないたった一つの希望であるんだと思います。

だからこそ、そんなメリーの希望である夢路が、メリーの夢を壊させないために体を張ったシーン(正確には夢路が決意したシーン)は凄く心にくるものがありました。本当に良い関係の二人だなぁと。

彼がメリーの傍にいる限り、メリーの夢はきっと途絶えないんじゃないか。
そう思えた瞬間でもありました。

もう彼女にとって夢路はいなくてはならない存在なんでしょうね。

だから夢路。こんなところで死んじゃダメだぞ！！


あとは事実を知った夢路とメリーの考え方の変化についてはまだ語られませんでしたけど
きっと彼らならそれでもしっかりと前を向いてくれるんじゃないかなぁと期待しています。
まぁその辺は今後の展開に次第といったところですかね。




次回 　｢夢邂逅｣

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