空深ク、彼方へ ―

･･･はぁ、辛い。。

もうこの一言で感想を終わりにしたいくらい本当にちょっと今はテンションが低いです。
胃の辺りがめちゃくちゃ締め付けられてるようなそんな気分で。。

でもまぁそんなわけにもいかないし、何より彼女たちの最後を見届けた一視聴者として
そんなことをしていいはずもないので力振り絞って書きます。

彼女たちの気持ちに応えるぐらいでの気持ちでね。
うん。頑張ろう。


　


まず、さやかはやはり魔女になってしまっていましたね。。

まぁ前回の感想でも書いたように、彼女にはもう何の希望もなかったわけですから
それは受け入れなければならない当たり前の結末。
何より自分自身もそうだろうなとは思っていたわけで覚悟は出来ていたんですけどね。

でも実際、あの禍々しい姿を見た時はちょっと本当に辛かった。
それであのまどかの叫びとキュウベェの弁解でしょ。。
もうちょっと色々な感情が渦巻きまくってて明日のジョーみたいな体勢で見てましたよ。
もっとも白く燃え尽きたなんてカッコいいものじゃなくて
どす黒く酷い感情を全面に押し出して、うな垂れた感じだったと思いますが･･･。


というかもうキュウベェはマジで黙って。こっちだってもう全然付いていけないよ。。
“感情というものを持ってない” とか自分で自白しておきながら
それでも平然と 「分からないよ」 とか何言ってんだよこいつ。。

感情ないなら分かるわけないだろ！！

分からないんならそっとしておいてやれよ。理解を求めようとすんな。
それで挙句の果てには 「死ぬ気になったら」 なんて捨て台詞吐きやがって
もう完全な確信犯もいいとこです。本当にどうもありがとうございました。

まぁキュウベェに対してはいくら文句を言っても吐き出し足りないと思いますし
もうこの辺にしておきますが･･･。

とにかくマジで酷い詐欺師です。見ていてここまで腹が立ってくるキャラなんて初めてですよ。
願わくば最後は彼らの種族が消えてなくなってくれることを望みます。それはもう心の底から。


　


ただその一方で、杏子はやっぱりなぁという行動をとってくれましたね。
あの行動が正しいか正しくないかは別として、個人的には本当に嬉しかったです。

もう本当に優しい子なんだなぁ彼女は。。

多分、彼女も可能性がほとんど0に近いということは理解していたのではないかと思います。
こういった同じような境遇にいた子たちだってきっといるはずですし
それでも前例がないということはつまりはそういうこと。
それに今まで彼女たちが魔女を倒した時は実際にグリーフシード以外が落ちてきたことなんて
なかったわけですし、さやかだけが特別なんてまず考えられないわけですからね。

でも、やっぱり自分にとって大切な人だからこそ、可能性がいくら0に近くたって
0ではない限りは諦めたくないじゃないですか。希望を持ちたいはずですよ。

そして、だからこそ彼女は動いたんですよね。
短い付き合いではあったのだけれどそれでも二人で過ごした時間は凄く濃密で。
いい意味で影響を与え合った仲だったからこそ相手のために頑張れる。

そんな杏子の姿を見ていたらもう “ありがとう” 以外の言葉なんて出てこないです。。
そしてそれはきっと、まどかにとっても同様の感情が生まれていたはず。
彼女だって杏子には溢れるぐらいの感謝の気持ちを感じていたんじゃないかなぁと思います。

それとあのうまい棒を差し出した瞬間は彼女らしくて凄く微笑ましかったですけど
でもいつだって心を通わせようとする時、彼女は相手に食べ物を差し出していたわけで
きっとあれが彼女なりの誠意の形なんですよね。


そういう場面を見ていると、彼女の行動の一つ一つから凄く優しさが滲み出ているなぁと思えるところで、もしかしたらああいう高圧的な態度を獲るのも、敢えて戦いを避けさせるためなのかななんて思うと、今になって凄く気付く部分が多くて、本当になんとも言えない気持ちになってきてしまいます。

最初出てきた時には 「ヤバイの出てきたなぁ」 なんて思いましたけど
出来ることなら全力で謝りたい気持ちで今は一杯ですよ。


　


杏子からまどかへと贈られた最後の言葉とその真意―


そしてそんな彼女の優しさはまどかに対してもきちんと向けられていたわけで、

魔法少女になるということがどういうことなのか。
魔法少女とはどういうものなのか。
それを杏子は自分の持つ出来る限りの言葉で彼女に伝えていたんですよね。

これは私も今までに散々言ってきた事ですけど、彼女の言う通り魔法少女の契約を結ぶというのは、それだけに見合った対価となる願いを持っていなければ絶対にやるべきではないんです。

これだけはもう絶対に間違いなくて、本当ならとっくのとうにまどか自身も自覚しておかなければいけない心構えでもあるわけなんです。
でもやっぱりまどかはその優しさが仇になっているというか･･･。

だから杏子もああやってまどかを叱ったのでしょう。
「何で魔法少女になるのか？」 という問いに即答できない彼女に再度忠告を促した。

これもまた、杏子なりの精一杯の優しさだったのだと思います。
それでも 「そうなのかなぁ？」 と疑問符で返したまどかには凄く不安を覚えますが･･･
でも杏子の言っていることだってまどかはきっと理解できているはず。

『命を危険に晒すっていうのはな。そうするしか他に仕方ない奴だけがやることさ。』

この言葉の重みを胸に、まどかにはこれからも生きていって欲しいなぁと思いますね。
彼女にとってはその生きていくことすらも今は辛いのかも知れませんが･･･。
でもマミさんやさやか、そして杏子が示してくれた道と
助けてくれたその命を無駄にすることが一番の罪だと思いますし。なんとか耐えて頑張って欲しいです。

それでもどうしようもない状況になったのなら･･･ まぁその時はその時ですね。
今考えるべきことではないと思うので止めておきましょう。


　


ただその彼女の言葉というのは多分、まどかだけに対して放った言葉ではなかったように思うんですよね。

おそらく、あの･･
『命を危険に晒すっていうのはな。そうするしか他に仕方ない奴だけがやることさ。』
という言葉は自分自身に対しての戒めの意味も込めて贈った言葉だったのではと。

つまり杏子は、その限りなく100に近い “成功しない” という可能性が現実のものと
なってしまった時は、自分の命を犠牲にしてでもさやかを救ってあげようと考えていた
のではないかなと思うのです。

もちろん、その “救い” というのは命を助けるといった意味のものではなく
“楽にしてあげる” といった意味の救い。
その苦しみから開放して、共に生きてあげるという精一杯の優しさ。

あの言葉はそういった気持ちが変化したものでもあったのかなと。
そしてその内に秘めた彼女の決意こそが、あの言葉の真意でもあったのかなと思うわけです。


　


杏子だってきっと魔女となってしまったさやかを倒すだけならそうすることもできたはずです。
あの実力を持ってすればきっとそれも可能だったはず。
けれど、彼女はその選択肢だけは決して最後まで選ぶことはしなかったんですよ。

もちろん魔力の限界や、ああしなければ倒せなかったなど他にも理由はあったのかも知れませんけど、でもやっぱりそれだけではないはずで。

では何が彼女をそういう行動に駆り立てたのかというと、それは
彼女が一人切りの孤独というものの辛さを一番理解しているからに他ならないと思います。

自分が願った魔法のせいで家族を失い、その後の生涯をずっと一人で暮らしてきた杏子です。
孤独の辛さ、寂しさというのは人一倍理解しているに違いない。
そしてだからこそ “あんな目に友達を合わせたくない” と思うのは彼女の性格からして
至極当然なことだとも言えるわけですよね。

それはあの教会でさやかを諭した時もそうでした。

自分と同じ境遇に会って苦しんでる奴を見てられない。
見てられないから助けたい。そんな彼女の奥深い優しさ。

もう初めから魔女となったさやかだけを倒すなんてことは頭になかったのだと思います。
“さやかが助かるか” もしくは “共に朽ちて同じ場所へと歩んでいくのか”
そのどちらかに一つ。

そしてどう転んでもそれは彼女の “救い” となるようにと。


　


実際問題、今回の結末がさやかにとって救いとなったのかどうかは分かりません。
それは単なるお前の願望、エゴだろと言われても反論はできないでしょう。

でもさやかが誰かに一番伝えたかったあの “Love me Do” という欲求は
杏子という友人の手によって叶えられたのだと言えると思います。

それは、自己犠牲という最大の手法による最高の愛の形によって。
だからこそ、さやかは杏子の手によって救われたのだと思いたいし、信じたいですよね。

私自身、これが望んだ最高の形というわけではもちろんないですけど
でもこれで良かったのかなぁと今は凄く感じられていますし。

最低の中の最高と言えばいいのかな。。

杏子の死だって、さやかの死だって決して嬉しくはないのだけど、でも、それでも･･･
そんな気持ちになれたからこそ、改めて彼女には感謝したいし、心からお礼を言いたいです。



本当にありがとう、杏子。




次回　 「もう誰にも頼らない」



相変わらずストーリーの内容・核心については触れませんでしたので、そちらについて気になる方はTBを送って下さった各ブログ様の方で是非、確認の方を宜しくお願い致します。

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